私が会った有名人

ご報告が遅くなりましたが、オイサオイサで山車ラジオの番外編第3回を公開しました。引き続き、「女子が語る90年代」ということで私の大学時代の先輩(気持ちだけオリーブ少女)をゲストに展開しております。

今回の聴きどころは有名人に会った話です。吉川ひなのに会った時、「○○みたい」と思ったというエピソードには悶絶してしまいました(是非本編でその感想を確かめてください)。そう思える感性を心底うらやましく思いました。

とともに、そういう有名人に会うスキルそのものも羨ましい。

私など、有名人と出くわした経験といえば1回くらいしかない。

大学時代、昼時に新宿アルタ前で待ち合わせをしていたら、表に車がキキーっと止まって、中からモト冬樹が出てきてババーッと走ってきた。あれよあれよという間に入口前ににいる私にボンとぶつかって「あ、ゴメン!」的な感じで手をチョイチョイとやって再度走り去って行った。

ああ、モト冬樹はいいともに出るんだな。元気にやってんだな。でも俺は外にいるからこのいいともは見れないんだな、近いのにな、と思った。

なんというか、今思い出してみても至極真っ当な感想しか抱いていない。残念だ。思い出を彩るような華々しい感想を持っていれば、もっと楽しく人に話せたのにな。

とまあ、今回のラジオを聴き返して思ったのでした。

でもまあ、モト冬樹だからなあ。鮮やかな思いでとかあってもしょうがない。


夢 3

海沿いに行きたいと思った。

地図を開くと東京湾の東側、船橋の南あたりの房総半島の手前からニョッキリと出た半島があった。ギザギザした海岸線が旅情をそそる。

おお、ここへ行けばいいじゃないか。俺はなぜここに行かなかったのだ、と調べると、渋谷で一旦途切れた東急東横線が新木場から再度出ていて、その半島につながっているとのこと(関東圏以外の方は、まあ、交わるはずのない路線が交わっているという感じでとらえてください)。よし、いいじゃないかと乗りこむ。

電車は非常に快適で、ゆったりしたシートに個人用ディスプレイ。脇からヒョイと出す簡易机には穴があいていて、そこからは無尽蔵にコリアンダーシードが出てくる。ほじくりだして匂えばかぐわしい。

さらに乗客にナムルのサービスがある。さすが東横線だ。乗務員は客それぞれに、モヤシ or ホウレンソウ or ワラビ!と問うている。

「僕はホウレンソウがいいんだ」と言うが、女性乗務員は改札鋏でパチンパチンと豆もやしナムルの豆部分を丁寧に切り取り、僕に笑顔で差し出してきたので、やっぱり文化が違うなあと思いながら受け取る。上品なごま油の香りがする。うまい。まあホウレンソウじゃないけどいっか。おいしいし。

それにしても、ナムルは乗客の当然の権利のはずなのに、なんで地下鉄東西線はそれをしないのか、と憤る。でもこの当然の怒りは誰に伝えればいいんだろう。

下らぬ思いを乗せて海岸線を走る。西に広がる風光明媚な景色に旅情を感じながら地図を見ると、半島は運河により南北に分割されており、その運河を渡す「日本森本橋」という橋がある。どうもその手前にある地域には、かなり昔からある神社や武家屋敷(里見家という武家らしい。)が密集しており、私の気持ちをそそる。

日本森本橋を渡る手前に「サービス岬」という駅があるので、そこで下車することにした。

思ったより近代的な駅舎を出ると、対して予想通りの昔ながらの街並み。白壁、石垣が並び、なかなか風情のある土地。興奮して写真を撮る。

写真を撮っていると、貧乏そうな身なりをした親子が行く手を遮る。岬ではテニス魔に襲われるから、と強引に家に招待される。

ところどころ穴のあいたアパートの2階。タタミはすべて取っ払われて、むき出しの板の間にはゴロゴロと黒ずんだ白菜やピーマン、きゅうりが落ちている。ザラザラとした木の感じと合わせて、とても素敵なものに見えてしまう。父はしきりにそれらの野菜を私にプレゼントしようとし、腐っているのでと断ると無言でストーブに火をつけた。

夏のストーブは爆発するというのが定番である。当然今回も爆発するに違いない。そう読んだ私は、「神様助けて!」と大声をあげる。

すると、ボロ屋の窓から神様が入ってきて、「じゃあ、助ける」と言わんばかりに私の手首をグイと持ち、その部屋から引きずり出した。そのまま空を飛ぶ。

もと来た方を見やれば、「ああ!」と私を見上げる親子。背中のほうからストーブが爆発して、黒ずんだ野菜とともに窓から放り出されていた。

神様はサービス岬にほど近い通りに私を下すと、頭の真ん中から割れて消えた。

いつの間にかすっかり日も暮れて、寺の向こうの夕暮れが綺麗。カメラで取ろうと思うが暗くて手ぶれ。どっかで支えないと思い、寺の周りを囲む2メートル塀の上に手を伸ばしてカメラを固定して、シャッターを押す。

撮れ具合を見るためカメラを見ると、和尚のような人がカメラにアップで映っている。2メートルの高さなのに何故?と訝しく思って再度同じように撮る。やっぱり和尚が撮れる。何度撮っても同じように撮れてしまう。とはいっても撮るたびに和尚の顔は疲れで歪んでいっており、最後には疲れと怒りでもう見てられないくらいに恐ろしい顔だ。こちらがシャッターを押す度にジャンプしてカメラに写っているに違いない。

仕方ないので壁によじ登ってみる。初めて見える塀の向こうは、寺かと思ったらザックリとした岩場で、エッと思っている間に和尚が目の前に跳んで来て私は壁から岩場側に引きずりおろされてしまった。

後から後から、毛皮を身にまとった屈強な男たちが奥の洞窟のあたりから出てくる。ああ、これが稲毛原人か。もはや抵抗もできずに引きずられるように洞窟の中へ。

場面は変わって酒場。どうもこれまでのそれはB級映画だったらしく、ストーリーを話している自分。自分の行動一つ一つで爆笑が起こり、ああ、俺は正しい道を歩んでいるのだ、と満足したところあたりで目が覚める。

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久々に見た長い夢だった。このあとも2〜3エピソードくらいの濃い夢を見たようだが既に大体忘れてしまっている。


夢1
タガメのスープの話。

夢2
トルコで発生した新型インフルエンザの話。


森田について

ゴムとヘビ

ダイソーでは「ザ・ヘビ」とか書かれている、みたいな話をしているときに、森田は「ダイソーといえばザ」というお約束を知らないのか、話が見えていないような表情を見せていた。
もしかしたら、そんなことはなく、たまたまそういう表情に見えただけかもしれない。だとしたら責められるべきは「大富豪の森田は100円ショップのディテールなど知らない筈だ」という俺の浅ましい偏見だろう。


数年前のタモリ倶楽部のとある回、炭酸水の飲み比べの回だったと思うが、炭酸水を割る物として差し出された甲類焼酎を見て、タモリは「こんなもんで飲むの?」と言った。

それを見た時に、自分が彼に対して抱いていた思いの半分くらいはスパッと失われて、ようやくタモリを自分とは異質な人なのだと意識するようになった。いや、恥ずかしい話だが、本当にこれがきっかけで。

それまでは大きく自分の好む世界とそうでない世界で分けるなら、彼は自分の好む世界にそのサングラスで黒い影をつけていたような人だったが、このエピソードでようやく彼は彼なのだなあという意識が植え付けられたわけで、まあなんというか、どうもすみませんでした、と彼に謝った。


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