え。いやあ死にたいですねえ。
最近はまあ、自殺とかも増えてて、こりゃいかん、って事になっとるわけですが、小生もそろそろその輪に入りたいなあ、なんて思ってですね。
手首をこう、スッと、ね。
先日などは私の作った水道会社がですね、バルブがはじけて倒産してしまったんですけども、まあ、バブル崩壊でもない時期にバルブがはじけてちゃ、シャレの一つにもならねえじゃねえか、とね。こう思いまして、手首をこう、スッと、ね。まあ、これが50個目の傷なんでございますが。アニバーサリー。
もうすぐ55個目の傷が出来る予定なんですが、まあそうなりますと、ニューヨークヤンキースのゴジラの背番号と同じですよ。私もどばあっ、と赤々とした血を流しながら、「俺こそ赤ゴジラだーっ」、とね。「とったどー!」とまあこんな勢いで祝いたいものですなあ。
題材が古うございますか。
まあ、死にたい死にたい言うとりますが、なんだかんだで一番死にたいといえば、長年連れ添った伴侶が死んでしまうときでございますな。
小生にも嫁がいるんですがね、またこれがものすごく強い。あのー、例えるならばあれですな。ジャイアント馬場。がキックをくりだして。そのくりだしたキックのさきっぽにある靴のですね。靴紐。の先っぽのあのビニールくらい強うございます。
「私、さきっぽがだらしないヒモをまとめる!」とまあ言ってそうでしょう。さきっぽのビニール。
まあ、私もヒモだけに頼もしいわけですよ。さきっぽのビニールが。こう、孫悟空の頭を締め付ける金の輪っかのように、女房という名の先っぽのビニールが、ヒモの私めの脳みそをギューっと締めるわけでございます。
そういった彼女のたくましさに依存しとる私などは彼女が死んでしまいますと、こっちも死にたくなりますな。たぶん。食いぶちがなくなって。まあ、死んだ嫁の肉でも食って生き延びるかと。そのくらいの絶望を感じる。いや、感じちゃう。ああ、感じちゃう。感じてきたわぁ。もっと乳首をつねってぇ、と。いやいやワキゲを引っ張ってぇ!と。
まあ、本日の話、そういった妻をなくした男の話でして。以前から往生際の悪い男だったんですが、奥さんが死んでも諦めきることができないんでしょうな。考えあぐねた末、いたこのところまで行ったわけであります。ま、このいたこがまた無能でございまして。
狭い一室。切羽詰った顔の留吉と、鷹揚とした態度のいたこが対峙しております。
いたこ:で、どんなご用件でございましょうな
留吉 :妻がはかなくなってしもうて呼び出して欲しいんですわ。アァッ!もう一度妻に会いたい!
いたこ:なるほど、奥さんが。
留吉 :ええ。
いたこ:はかなくなって
留吉 :ハァ
いたこ:まあ、ノーパンというのもそれはそれで風情があるもんでございますな。スースーして世間の空気にじかに触れることが出来ますからな。
留吉 :あの・・・。もし・・・。
いたこ:「あっ、今日から梅雨入りね!」とかね。季節には敏感でいたい。
留吉 :急に詩的にならんでください。
いたこ:あ、こりゃ申し訳ない。ノーパン、と。メモメモ。
留吉 :なんですか。そのメモは。
いたこ:いたこメモじゃ。
留吉 :ヘェ。っと、納得してる場合じゃありませんがな!。一体何が書いてあるんですか!そのメモには!
いたこ:まああれですな。多いのは大きな窓、そして小さなドア・・・
留吉 :ヘェ。
いたこ:そして、部屋には古い暖炉じゃ。
留吉 :あなたはいますか。
いたこ:おらん。
留吉 :ヘェ。いや、納得しとる場合じゃなくてですな!はかなくなるというのはパンツをというわけではないのですがね!
いたこ:ああ、早合点、早合点。さすがに最近ともなればパンツは必需品でございますからなあ。ネコも杓子もパンツをはきよる。ネコはともかく、杓子にパンツをはかせるというのはどういうプレイなのや!と憤る気持ちもある。
留吉 :ヘェ。まあ嫁は死に目でもパンツをはいとりましたから。
いたこ:なるほど。パンツは履いているが、ズボンは履いてない、か。アリパン、ノーズボン、と。
留吉 :(これはもうらちがあかんな。)あの、「はかなくなる」というのは、死んだということなんでございますが。
いたこ:そうならそうと早くおっしゃって欲しいものですな!
留吉 :すみません!
いたこ:いたこを怒らせると怖いぞ!おばけが出るぞ!
留吉 :ヘェ、まあそのおばけを出して欲しいんですが
いたこ:そうならそうと早くおっしゃって欲しいものですな!
留吉 :まあ、そろそろ読者も飽き始めてるところですので早く始めませんか。
いたこ:ヘエヘエ、じゃあはじめましょうかねえ。
いたこが目を瞑ると、突然顔が険しくなります。あたりに不穏な空気が流れ始め、留吉は異常な緊張感にとらわれまして。数分の沈黙の後、いたこがようやく口を開いたわけでございます。
いたこ:ハァハァッ!
留吉 :よっ!よし子かっ!
いたこ:ハイ・・・あなた・・・
留吉 :よし子オウオウ!会いたかった!
見事、いたこは留吉の妻を呼び出した、かのように見えたわけですが、やはりそこは無能のいたこ。当然はったりでございます。騙された留吉を見てもうひと芝居打とうと、思案をめぐらすわけでありまして。と、ここで悪巧みに歪みかけたイタコの顔が、苦痛に歪みます。便意をもよおした模様です。しかも大のほうでございまして。
いたこ:フンオッ!
留吉 :よし子!どうした!そんな獣みたいな声を出してっ!
いたこ:じ・・・実は、あなたとの間に子供が出来てたの・・・
留吉 :ハウァッ!ということは、私は最愛の嫁だけでなく、子供まで同時になくしたということか!しかし、よし子は45歳。そんな高齢で妊娠していただなんて・・・
いたこ:ごめんなさいね・・・私がいたらないばっかりに・・・
留吉 :ううん・・・いいんだよ・・・こうして話が出来るだけで・・・赤ちゃんのことはいいんだ・・・
いたこ:フンオッ!
ここでいたこの便意は限界に達します
いたこ:う・・・・生まれる!!
留吉 :よし子おおー!
いたこはやおらテーブルの上に飛び乗り、尻を出し、苦悶の表情で何かをひねり出します。
そして、数秒後、いたこの下にほんわかとした茶色い物体が出てきます。
いたこ:まあ、これが本当の降霊出産ということでして
留吉はありがたいありがたい生命を受けたうんこを持って帰りましてですね。ありがたくいただいたそうでございます。まあ、妻が死んでも留吉にはウンがついた、ということで、めでとうございます。
おあとがよろしいようで。
まあ、こう、手首をスッと。
川柳では「幽霊の 正体見たり 見なかったり」なんてことを申しまして、どんな人でも多少の差こそあれ、お化け、幽霊、物の怪、婆さんの類は怖いものでございます。先日もうちの餓鬼が「お父ちゃん、おいらはお化けなんか怖くないよ」なんて抜かしやがるもんですから、夜中墓から死体を三四つ掘り起こして、枕元に並べて置いておいたら、翌朝腰抜かしちまいまして、それ以来何も喋れなくなっちまいました。何事もほどほどにって教訓を餓鬼のトラウマと引き替えに学んだわけでございます。
「おいおい、そりゃ穏やかじゃないね。もう一度言ってごらん」
「もう一度でも三度でも言ってやらあ。一回しか言わないからようく聞いとけよ」
「どっちなんだい」
「うるせえな、言葉の蚊帳ってもんだ」
「それを言うなら言葉のあややだろう。そんなことより、お化けがどうしたって?」
「そうそう、出るんだよ。お化けが」
「お化けって、あのひゅうどろどろってお化けかい?」
「他にどんなお化けが出るってんだ。こん畜生のごうつく爺いめ」
「ごうつく爺いは余計だよ。お前さんは口が悪くていけないね」
「とにかく、出るものは出るんだよ。しかも、前総理の森喜朗のお化けだってんだから驚きだ」
「馬鹿言っちゃいけないよ。前総理はまだ生きてるだろう」
「そんなこと言ったって、あれはどうみても前総理のお化けに間違いないんだから仕方ないだろうよ、この豆粒が」
「背のことを言ったら家賃を倍にするってのを忘れた訳じゃないだろうね」
「いや、大豆のように栄養があって、えーと」
「それは良いから、さっきのお化けの話を聞かせなさいよ。前総理のお化けはどこに出るんだい?やっぱりあれだろ、乾物屋の裏の土手に生えてる柳のあたりかい?」
「そうは問屋のおかみさんは降ろさない。乾物屋の3軒となりの漫画喫茶の二階の隅っこに出るっていうから一粒で二度びっくりだ」
「これまた、ずいぶんとお化けらしからぬ場所に出るもんだね。それは本当にお化けなのかい?ただのオタクが前総理に見えたんじゃないのかい?」
「これまた随分とご挨拶だね、助平爺い。おらっちは腐ってもパイロットだよ。視力は餓鬼のころからずっと2.5でさあ。前総理とただのオタクを見間違えるわけねえだろってんだ」
「確かにお前さんは操縦は下手くそなくせに目だけは良いって評判だよ。でもね、いくら目が良くても、いや目が良いからこそ見間違えるってこともあるってことを忘れちゃいけないよ」
「そんなに言うんなら、爺さんも見に行ったらどうなんだい」
「あたしがかい?なんだか漫画喫茶ってとこはぞっとしないねえ」
「そんなこと言って、お化けが怖いんじゃないのかい?」
「お化けなんざ怖かありませんよ。仕方がない行きましょうか」
そんなこんなで、機長と大家は漫画喫茶ってえ場所に向かった訳でございます。あいにくあたしは行ったこと無いんですけどね、漫画喫茶と言うのは、漫画ばっかり親の仇のようにあって、インターネットも置いてあって、バニーガールがわんさといる場所のようでございます。
どんどんどん。
「頼もう!頼もう!」
「お客さんお客さん静かにして下さいな。そんな大声出さなくてもご案内しますから」
「いやなに、この爺さんがお宅に現れるお化けを退治してくれるってんで、今日は連れてきたって訳だ。ありがたいだろ?畜生め」
「おいおい、あたしゃそんなこと言ってないよ」
「しっ、ロハで入れるとこだったのに」
なんてせこいやりとりがありまして、二人は前総理のお化けがいるという二階へとんとんとんと登って行くと、隅の席で一心不乱にコボちゃんを読み耽る老人の横顔が見えたのでございました。
「ほらほら、居るじゃねえか。あれが森喜朗の幽霊じゃなくて何だってんだ?」
「あららら。確かにそっくりだよ。疑ったりして悪かったね、来月から家賃は倍の半分にしとくよ」
「そいつはありがてえや」
「ところで、念のため確かめたいんだけど、そっくりさんて事はないかね?」
「でも、あのお化け、森喜朗の住民票も持ってましたぜ」
「住民票って、そりゃ本物の前総理じゃないのかい?」
「馬鹿言っちゃいけないよ。どこの世界に漫画喫茶に居座る前総理が居るってんだ」
「でも住民票を持ってんだしねえ」
「それに、下半身がなくて、顔の向こう側が血まみれで蛆わいてる前総理なんて聞いたことがねえや」
「それを先に言いなさいよ」
そんな呑気なことをだらだらと喋っていると、前総理のお化けもさすがにこちらに気付いたようで、コボちゃん十四巻を放り投げて立ち上がり、だらだらと血だか肉だかわからないものを垂らしながら、二人の方を振り向き身の毛もよだつような恐ろしい声でこう叫んだのでございます。
「今度はお茶が怖い」
川柳では「右肩が 濡れて嬉しや 通り雨」なんてことを申しまして、雨というのは何かしら小さなドラマをいたずらに呼び起こしたりすることがございます。先日もうちの事務所の女の子がちょっとお使いに行った帰りににわか雨に遭いまして、たまたま私が通りかかったもんですから「あら、ボリビアさん。その傘私に貸してくださらない?」などと抜かしやがりまして、おかげでこっちはびしょ濡れで帰る羽目になっちまいました。え?貸す方も貸す方だって?あたしだって弱みの一つや二つございますからね。
カーンカーンカーン。丑三つ時を知らせる鐘の音が高らかに響き渡る、帝都ハバロフスク。この街もご多分に漏れずバブル崩壊の余波が訪れ、ハバロフスクニコニコ商店街は今や壊滅直前の危機を迎えていたのでございました。
ニコニコ商店街のはずれにある集会所では、今日も出口のない会議が繰り返されています。
「会長さん。このままではこの商店街は崩壊してしまいますぜ」
「ほうかい」
「何とか手を打たないと、どの店も閉店せざるを得ないですよ」
「飯はまだかのう」
一同は会長が惚けてることに気づいてないようです。
一方、郊外のショッピングセンターの野菜売り場では、大男が買い物客に紛れてなにやら不審な動きをみせておりました。
「これが、噂に聞く名刀『副都心』か。見よこの妖しさと童顔のアンバランスが、実に加虐性を刺激するではないか」
「しかも山廃仕込みでございます。新右衛門様」
「元九重親方、御主、解っておるではないか。手に入れた者がみな生きた人間を斬ってみたくなるというこの名刀、さぞかし多くの血を流してきたのであろうな」
「そりゃあもう、地元の古くさい店を潰しにかかった大手パチンコ屋顔負けの出血大サービスにございます」
「なるほど、ならばこの新左衛門が新たな血を流したところで、どうってことはないな」
バサリ、名刀副都心がすうっと振り落とされると元九重親方は真っ二つに。
「うう、新右衛門でございましょう…」
そんな騒ぎを知ってか知らずかニコニコ商店街の寄り合いでは、不況の打開策も見つからず不毛な会議が繰り返されていたのでございました。
「どうだい?この商店街がオーナーとなってプロ野球チームを持つってのは?」
「馬鹿だなあそんな金どこにあるって言うんだよ。この商店街の金を全部集めたって中継ぎピッチャーの一人だって雇えやしないよ」
「だったらウグイス嬢だけでもなんとか」
するってえと、隅の方で今日8回目の飯を喰らってた会長がおもむろに立ち上がり
「金ならある」
と言うが速いかすっくと素早く立ち上がり、畳をぽんと叩くと、畳はばさあっと跳ね上がったのでございました。ご老体のどこにそんな力が残って居たのだろうと、皆が首をかしげる中、会長はめきめきと床板を剥がし古びた壺を取り出したのでありました。
一同が恐る々々壺の蓋を開けると中には数え切れないほどの大判小判がこれでもかと言わんばかりにざっくざくと詰め込まれておりました。
「こんな壺があと、30はある」
会長は呑気にそう告げると何事も無かったかのように9回目の飯を食べ始めたのでございます。
「やった、これでプロ野球チームがもてるぞ」
「どこを買い取ろう?」
「選手はアメリカからじゃんじゃんとってくるだよ」
村人はもう大騒ぎです。そんな中、9回目の飯を食べ終えた会長がナイフとフォークをかちゃりと置き、一同に告げました。
「今度はお茶が怖い」
川柳では「唐衣 プロコルハルムに 似ているね」なんてことを申しまして、「青い影」を聴くと「fandango ってどんな団子だろうなあ」などとおかしな事を言うお調子者が必ず出てくるものでございます。先日もうちの女房が「あなた、うちもそろそろ海老団子かしらねえ」なんて珍しく艶っぽい事を言いやがる始末で、あたしもまんざらじゃなかったりして、つい。おほん。うちの話はともかく、いつの世も団子というのは何かと騒動の元となるものでございます。
「コンコン、コンコン」
「珍しいね、狐が来たよ」
「何、馬鹿なこと言ってるんですか。社長。入りますよ」
「馬鹿たぁ、ご挨拶だね。お前さんが『コンコン』なんて口で言うから悪いんじゃねえか」
「あたしの癖は社長もご存じでしょう。今更何言ってんですか」
「コンコン言ってる暇があったらホームランでも打ってりゃ良いんだよ。お前さんは」
「あいた。毎度の事ながら社長は厳しいね」
「お前さんの年俸を考えたら愚痴の一つも言いたくなるよ。ところで何の話だい」
「そうそう。社長、今日は良い儲け話を持ってきましたんですよ」
「お前さんの儲け話なんか当てになるかい」
「まあ、聞いてくださいな。聞くだけなら只でござんしょ」
「只、良い言葉だね。聞こうじゃないか。何だい?儲け話ってのは」
「テーマパークですよ。テーマパーク」
「駄目駄目。テーマパークなんざ腐る程あって、毎日のように潰れてんだから」
「それは、知恵が足りないからですよ。ベネズエラの言葉で言えばアイディアが無いから潰れるんです」
「アイディアはベネズエラじゃなくてもアイディアって言うだろう。いい加減だなあ」
「テーマパークと言うからには、何か良いテーマが無ければいけない。それなのに日本のテーマパークと言えば、どれもこれも客を寄せ付けないようなテーマばかりでござんしょ」
「まあ、こういっちゃなんだが、私も覚えが無いわけじゃないよ。でもそうやって大風呂敷をしろげるからには、客を呼べるテーマがあるってことだな?」
「そりゃあもちろん。ズバリ○○をテーマにしたテーマパークを作るんですよ」
「うひゃあ、そりゃ完全に伏せ字にしないと命が死んでしまう」
「キャラクタのデザインは藤子不二雄Aに頼みましょう。メインキャラクタはあそこんちの長男坊をモデルにした『○○くん』にするんです」
「死ぬ、絶対死ぬ」
「『○○くん』は○○ランドの王子ってことで」
「死ぬ、絶対死ぬ」
「お供は『××××』『×××』『×××』」
「死ぬ、絶対死ぬ」
「『××××』は『○○くん』のパパなんです」
「死ぬ、絶対死ぬ」
「『×××』はちょっと元気がない」
「死ぬ、絶対死ぬ」
「どうでしょう?こんなテーマパーク」
「お前さんはベネズエラ人だから分かんないだろうけど、この国じゃ絶対無理」
「あ、ひとつ肝心なことを忘れてました」
「これ以上何かあるのかい?」
「今度はお茶が怖い」
昔の話です。あるお婆さんが僕にしてくれた話。
「ボリビアさん、私が嫁いだ時、その家の爺さんがこう言ったんだ。
『ヨネさん、このうちじゃ、私がカラスは白いといえば、カラスは白いんだ』
って。そのときは、爺さんが何を言いたかったのか解らなかったんだけど、あとになってやっと解ったんだよ。わかるかい?ボリビアさん」
よくある話だけど、そのまんま答えるのも悪いので、僕は「いや、解らないです。どう言う意味だったんですか?」と答えた。そしたらヨネさん「その爺さんは『俺は変わり者だよ』」って言いたかったんだねえ」って。
違う、全然違うよヨネさん。
この暑さで参っている方も多いとおもいます。僕も参っちゃって、もう、キーボードが柔らかくなってる気さえします。
で、この暑さの原因が、『エルニーニョもどき』。
エルニーニョの条件を満たしてないけど、ほぼエルニーニョだから、エルニーニョもどき。
この気象の正式名称が『エルニーニョもどき』
世界規模でいい方向に走り出した気がします。
川柳では「塩しょう油 黄色い目玉で 大合戦」なんてことを申しまして、昔も今も目玉焼きに何をかけるかで揉めてたようでございます。先日もうちのガキが「お父ちゃん、ぼくの目玉焼きには、大外刈りをかけてちょうだい」なんて生意気な事を言いやがる始末で、こうなると、どこまでがおかずなんだか解ったもんじゃありません。
どんどん どんどんっ どんどん どんどんっ
「新の字、新の字、居るんだろ。つべこべ言わずに早く起きろ」
「なんだい、朝っぱら誰かと思えばカブレラじゃねえか。どうだい?今年はホームラン王とれそうか?」
「無理言っちゃいけねえよ、復帰したばかりだってのに。いやいや、そんなことより大変なんだよ」
「どうしたってんだい。東尾の対談なら読んでねえよ」
「そんなんじゃないっての。ニカラグアが大火事になったんだって」
「なに、ニカラグアが火事だって。こうしちゃいられねえや。かかあ、かかあ、ちょっと出かけてくるぞ」
「なんだい、この子は朝っぱらか大声張り上げて、あら、カブレラちゃん。どう?今年はホームラン王とれそうなの?」
「無理言っちゃいけねえよ、復帰したばかりだってのに。てどうしてこの親子は同じ事を聞くんだろうね」
「そんなこたぁ、どうでも良いんだ。それよりニカラグアで火事が起きてるんだとよ。ちょっくらでかけてくらあ」
「あいよ、気をつけてね」
こうして、二人はニカラグアに向かったわけでございますが、行ってみるとニカラグアでは、あちっからボー、こっちからガーと火の手が次々とあがって、そりゃあもう大変なことになってるわけでして。
「おう、新の字。大丈夫か?」
「あたぼうよ。こっちの鉄板は良く焼けてるなあ。俺はこれで焼くことにするぞ」
「だからお前は甘ちゃんだってんだ。見てみろそりゃチタンだぞ」
「いいじゃないかチタンのどこが悪いんだ。お前こそなんだ、その紫の鉄板。ベネズエラ人は粋ってもんが解らないから困らぁ」
なんてことを言い合いながら、程よい鉄板を探して、卵を次々と焼けた鉄板の上に落としていくわけですが、そうするってえと向こうの方からおっかないお兄さんが、たまにお姉さんがやってくるわけでございます。
「おうおう。お前さん達誰に断って、目玉焼きを焼いてイルノデスカー」
「あらら、最後だけ外人さんになっちゃったよ。この人」
「新の字、ここは外人同士ってことで俺にまかしときな」
「さっきから黙って聞いてりゃごちゃごちゃ抜かしやがって、頭カチワリマース」
「まあまあ、そんなこと言わずに旦那。ここは、あっしのホームランボールでひとつ」
「お、お前さん話が解るじゃねえか。最初からそうしておけばヨイノデース」
そうこうしているうちに、目玉焼きがじゅうじゅうといい音を立てて焼けてくるってえと、どこからともなく、腹を空かせた火事場泥棒達が集まってくるわけでございます。
「お兄さん、ひとつ目玉焼きをくれよ。両面焼きで頼むよ」
「私は2ツデース」
「しょう油がないぞー」
「唐辛子かけすぎた」
なんせ、火事場泥棒ばかりなもんですから、勝手なことばかり言い出して、しまいには焼けた端からぶんどって行こうとします。カブレラはそいつらの頭をバットですこーんすこーんと片っ端からかっ飛ばしますが、多勢に無勢、最後は二人して逃げ出すことになってしまいます。
「はあはあはあ、ここまでくりゃ大丈夫だろう」
「やっぱり、目玉焼きってのは難しいもんだな」
「でも、ひとつ解ったことがあるぞ」
「お、ホームランを打つコツでも掴めたのか?」
「今度はお茶が怖い」
どうも、春風亭ネガティブでございます。今日はじゅげむをやってみようかな、なんて思っております。
あるところにですね。長く子供が生まれなかった夫婦がおりました。名をたけしとよしこ夫妻。それで長年の不妊治療とたゆまぬSEXの結果ようやく生まれたんですな。で、大事な息子でやんすから寺の住職さんに男らしくて長命な名前を付けて貰おうと伺ったわけであります。
たけし「住職、いい名前はござんしたでやんしょうか」
住職 「ウム、長生きしたいなら森繁、とつけるがよいぞ。」
たけし「住職、それは苗字では?」
住職 「おーおー、そうじゃった。そうじゃった。じゃ、たけしで。」
たけし「住職。それは私の名前ですが」
住職 「おぬしもこれまで息災に過ごしてきたじゃろう。そんなすばらしい父親にあやかって何が悪かろうに」
たけし「ハァ。しかしそれでは」
住職 「よいよい。しかし同じ名前ではお前と同じになってしまうからのう。もう少しありがたい名前を付け加えるとよいじゃろう。たけ、でどうじゃ。強く長く生きることができるじゃろうて」
たけし「たけ、ですか。しかし『たけ』はすでにたけしに入っているかと思うのですが」
住職 「だまらっしゃい。2倍のありがたさじゃ。」
たけし「申し訳ありません」
住職 「あとは、イコとつけなされ。」
たけし「なんですか。イコとは」
住職 「『い』−。『いかにもな』
『コ』−。『子作り宣言』
の略じゃ。」
たけし「あいうえお作文じゃないですか。」
住職 「だまらっしゃい。」
たけし「申し訳ありません」
住職 「それらすべてを名前につけるとよいぞ。」
たけし「ありがとうございます。えー、では息子の名前は「たけし・たけ・いこ」ということで」
そうして生まれたのが、竹下恵子でした。
はい、どうも春風亭ネガティブでございます。今日は趣向を変えて時事ネタでも扱ってみましょうかねえ。
11日に投開票が行われた参院選で、未成年者にビラ配布など選挙運動をさせたとして、沖縄県警沖縄署などは14日までに、公選法違反の疑いで、民主党から比例代表で立候補、初当選したミュージシャン、喜納昌吉氏(56)=写真=の運動員、大学生、高江洲昌史容疑者(21)=沖縄市久保田=を逮捕した。
私も喜納昌吉先生のお話はいろいろ聞いたことがありますね。ひどいキチガイだとか。ヘロインでつかまったこともあるそうでございますな。この調子で失脚していただけますと、私としてもホッとするしだいであります。まあ時事ネタというよりはただの耄碌ジジイネタでございましょうか。
ところで、私の父親も喜納昌吉と同じくらいの年齢なのでございますが、カラオケを趣味にしておりましてですね。たまに付き合うのですよ。
で、先日帰郷した際にカラオケに一緒に行きまして私が喜納昌吉の歌を歌いますと
「笑うのか泣くのかどっちさ?」
と股間をパシンと殴られてあまりの痛さに私、泣いてしまったのであります。それを見た父親はですね、「アッヒッヒッヒ」と笑い始めましてですね。
えー。その夜に手首できた傷が21個目でございました。
あのねー、僕ねー、開店の逆は閉店だなあー。今日ねー習ったのー。閉店はねー逆だなー、開店なのー。あとねー、開業のねー、開業のねー、逆はねー閉業なのー。あはははははははは。へいぎょーっておかしいねー。
でもねー、開通のねー逆は、逆の逆の逆はねー、閉通じゃなんだー。逆なんかないのー。ググーグールルーで検索しても変な言葉しか見つからないのー。
でもねー、なぜかねー、なんでかしらないんだけどねー、開発のねー、かかかか開発のねー、逆はねー、閉発らしいのー。そんな言葉が、イーンターネットーにはねー、あるのー。
でもねー、先生はねー、同じネクタイしかしてない先生はねー、「こでは オージーアルーで読み間違っただけだぎょ」っていうのー。口をぱくぱくさせてねー。いうのー。
先生はねー、バガだからねー、閉発だけがねー、なんでこんなに間違うのかかか教えてくれへんのー。ちょっと田舎弁つかってみたのー。
はいどうも、お世話になっております。春風亭ネガティブでございます。
いやいや、ほんと皆様とても面白くて私なんかが書いてていいものかなんて思うんですよね。まあ、そもそもまだそんな気にとまるようなことも書いてないですし、気に止まらなければウザイ!って思われることもないでしょうから、まだ大丈夫ですかね。ええ。
私にしてはとても楽観的な結論を出したところで今日のお話に参りましょうか。今日は仕事の話でございます。
私、大学を出てから不動産会社に入社したんですがね。数年間まっとうに働いておったんですが、バブルがはじけて倒産してしまったんですよ。
社会に放り出されてしまった私なんですがね、不動産会社時代、懇意にさせていただいていた方からの勧めでですね、お水の会社を建てたんですよ。
いや、お水とはいいましてもね、あのムッチンプリンのお姉ちゃんがビショビショ、なんて会社じゃなくてですね、当時はやり始めた「おいしい水」を売る会社なんでございます。それまでに貯めていた貯金を使い果たしてですね、とある名水の出る山のふもとに採水施設を作りまして。
ええ。創業当初は売り上げも順調でですね。いい生活を送らせていただいてたんですよ。でもまあ、欲張ったのが悪かったんでしょうか。限度を超えて採水を続けていましたらですね。
採水施設のバルブがはじけて倒産しちゃいました。
それからまた製紙会社を作ろうと思ったんですけど、友人に止められちゃいましたね。
「パルプがはじけるからやめておけ!」
なんとなくね、友人が本気の顔をしていたからやめたんですけどね。今考えるとパルプがはじけるってどういうことなのかわかりませんね。ああ、製紙会社やってれば私も今頃大金持ちになってたのに。今はしがない噺家見習い、どうしてこんなことになっちゃったんでしょうか。ね。ほんといやになりますよ。手首の傷も51個めですよ。
こんにちは。Mと言います。緊張してタイトルのHとGを押し間違えてしまいました。キーボード隣ですからね。
さて、『レオナルド・ダ・ヴィンチ』さんって、名前がギリギリだと思うのですが。
特に、レオナルドのレ以下とか。
一般にダヴィンチと呼ぶのも、こういう理由からだと考えても問題はなさそうです。
どうも初めまして。坂本公達です。
麻呂は九州に住んでます。学校に勤めとります。今月博多は山笠で盛り上がるばい。麻呂は博多には住んどらんけどね。
で、オムレツ大作戦に参加ばさせてもらうわけやけど、オムレツっちゅうたらくさ、麻呂のオムレツはちょっと他んやつと違うもんね。うまかばーい。明太子の入っとるもんね。明太子はなんに入れてもうまかけん、良かでー。
でよ、話は変わって、
麻呂が神と崇めるぐらい尊敬しとる爺さんがくさ、まあ麻呂はテンちゃんって呼びようっちゃけど、そのテンちゃんがくさ、最近どうも調子が悪いったい。ホルモン療法ば始めたっち言いよらしたもんね。どうも体の悪かごたるもん。やけん、元気ば付けちゃらな、と思ってくさ、お見舞いに行ってきたんよ。ね。まあ手ぶらじゃ行かれんけんね、土産ば持って行ってきた。やっぱ、病気やったら体力ば付けないけんもんね。やけんくさ、モツを持っていったくさ。牛モツね。まあ、ホルモン療法しよるけんホルモンをどうぞっちゅうダジャレたい。ね。きっと馬鹿ウケたい。笑いは病気治療に良いらしいもんね。そしたらくさ、病室の前でくさ、「困ります。」げな言うもんね。面会できんげな。なら、お見舞いのモツだけでもって言うたらくさ、「それも困ります」って言うもんね。冷たかー。あ、分かった分かった。その時ひらめいたんよ。ああ、何ね、お見舞いのモツにリボンが付いてないけん、腹かいとうとやろうねえて。やけん、リボンば付けてくさ、出直したったい。そしたらくさ、また「困ります。」って門前払いやもんねえ。冷たかー。リボンっていうても丸腸を持っていったのが不味かったかねえ。
言葉の分からんげな言う人はコメント欄に書いちゃらんね。
どうもこんばんは、春風亭ネガティブでございます。
都内で噺家見習いとしてカツカツながらも生計を立てている、しがない小男でございます。せむしでございます。何の縁だかこのサイトに登録させていただくことになりましたので、小噺とか書かせていただきたいと思います。
どうせこいつつまんねえとか思ってんだろ。お前ら。
イヤイヤ、ホントいやになりますな。いやになる。腹の肉のたるみでございますよ。跳ねてみますと緩やかにゆれる私の腹。グラビアアイドルも真っ青でございます。
それで、ヨメに、
「お前はどうしてそんなに醜いのか。醜い奴はチャックに挟まって死ね」
と言われたもんですからダイエットを始めまして。食べ物減らしたり運動したりですね。あと、なんていうんでしたっけ、あの最近流行の。
あ、ニカウでございましたか。あ、違う。にがり。はいはい。にがりね。
いやはや、ニカウも噛んだら苦そうでございますから、苦いものつながりと言うことでご容赦願いたいんですが、そういうのも始めたんでございますよ。ね。ほんと。
ね。で私、性根腐りきってまして名前の通りネガティブなもんですからやってることに対してどんどん否定的になってきちゃうんでございますよ。
食べ物食べないってことはまあ、餓死につながりますしね。運動するってことはチンチン電車とかパンチラ満漢全席とかなんかまあそういうやつを高めるってことでしょ。体の中の汚いものを出して新しいものをどんどん生産していったら結局はね、自分の中の生命がどんどんすり減っちゃう。ね。やってらんないですよ。
それにそもそもですね。私、生まれてこの方ダイエットに成功したことがございませんで、ずーっとデブなんでございますよ。元からデブになるように生まれたに違いない、なんてね暗澹たる気持ちになっちゃって。ええ。やってらんないですよ
ね。ネガティブな上に根がデブ。
こうね。手首をピッっとね。50個めですよ。傷アニバーサリー。