看板の赤い字が消える。というのは真実だ。
それがグラデーションの赤だとどうだろう。それはグラデーションの薄い方から徐々に消えていくのだろう。
この写真の「靴」の字、下半分が色褪せてきている。
これから時間が過ぎるのを想像する。この看板の赤はきっと褪せていって今よりももう少し上を侵食する。
そうすれば、左側の「廿」状にになっている部分の下が消え、右と合わせて「サル」という文字が浮かび上がってくるはずだ。
それを見ることができたら、私は静かに心を動かされると思う。サルを修理する店の誕生まで、これからどれだけの月日が必要なのか分からないけど。