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清澄白河 だるまに行く理由

東京の東側、地下鉄の清澄白河駅ほど近くに「だるま」という居酒屋がある。深川資料館通りにある古い店で、私は常連とまではいかないものの、個人的にはここ数年で一番通っている。自分の居酒屋欲を満たしてくれる素晴らしい店だ。

で、そのだるまがどうやらテレビ版「孤独のグルメ」で出てくるらしい。うむ、なんか分からんが悔しい。多分しばらく人が増えるだろうし、色も付くだろう。でもそれは仕方ないことだ。

そういうわけで、番組より一足お先に自分がなぜこの店に通ってしまうのか、その魅力をちょっとまとめてみたい。皆様の参考になれば幸いです。

理由1.安い

ビールの大瓶が450円である。これは東京ではなかなか安い。

居酒屋に行って瓶ビールを頼まない方も多いかもしれないが、633mlの頼もしさは居酒屋でこそよく分かる。1本でいい感じになれる。

さらには、刺身は日替わりで250円くらいからあり、妙にクオリティが高い。魚類が日替わりで安くてちゃんとうまい、というところはこの店が近隣住民に支持される非常に大きな理由だ。

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カツオ刺しはだいたい380円。大ぶりで圧倒的に新鮮だ。

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キス天も380円。さっくりとした衣とふっくらとした身が絶妙なバランスだ。幾分多めのししとうも嬉しい。っていうか多いな、ししとう!

他の品も基本的に量がしっかりしている。魚以外はすげえうまい、とかいうものはなく、うますぎない(ごめんなさい)。けど、カウンターにどかっと座ってビール大瓶1本とお通しと何か刺身を1品で、計1000円強で夜の組み立てを堪能することができるのが大変な強みである。

理由2.他に行くところがない

2つ目からさっそく消極的な理由になってしまったが、繁華街ではない清澄白河駅付近で夜11時30分までやっている居酒屋というのは殊の外少ない。また、日曜営業もやっており、輪をかけてここしか飲むところがない状態になる。静かな通りに煌々と光るこの店の明かりにおっさんたちが集まってくる。

煌々と光る明かりに吸い寄せられたおじさま達で店はいっぱいだ。

理由3.メニューの短冊が圧巻である。

 

だるまの短冊。写真が不自然で申し訳ない。

メニューは多い。刺身、天ぷらをはじめとした和食からサーロインステーキ、グラタンまである。多くの人のワガママな食欲を満たすことができる体制になっていると言ってもいい。そんなこの店のレギュラーメニューは画用紙に書かれ、壁一面に貼ってある。壁一面の食べものの名前。これが実に圧巻だ。

理由4.日替わりのお通しが、心がこもっているのかこもってないのかよく分からない

この店は日替わりのお通しがある。200円である。これがいい。おいしいかおいしくないかは問題ではなく、ぞんざいな存在感がすごくよい。一例を挙げる。

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比較的アタリの日はこういう煮物がでてくる。心の中で静かにガッツポーズをするとともに何からどう攻めるか計算を始める。

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ニュートラルなときはこういうのが出てくる。高野豆腐だ。

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ぬか漬けが出てくることもある。

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いわゆる桃屋あたりの穂先メンマ的なものが出てくることもある。

そして、これまでに出たお通しの中で最も素敵だったのが以下だ。

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お通しはこの店の誰にも分け隔てなく与えられ、老いも若きも男も女もコの字のカウンターで向かい合ってソーセージをくわえている。その可笑しさに気づいたとき、この空間に加担できてよかったな、と思う。

近年、世の中ではお通しを拒否するとかしないとかそういう話もあるみたいだが、私からはお通しは拒否するのではなく、体験する、ということを提案したい。

 

理由5. 新たな食の提案がある

この店に斬新な料理、というものはほとんどない。しかし、組み合わせの提案が新しい。オリジナリティとは既存のものを最適な形で組み合わせることによって生まれるのだということを再認識させてくれる。

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オニオンロールぱんを日本酒のおつまみに提案。

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隣の御仁はハムエッグにマヨネーズをかけて、それを日本酒でやっている。

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「焼カレードリアン」という料理はまだ怖くて頼んでいない。ドリアの誤りである可能性は99.99%であるかもしれないが、1年くらい「カレードリアン」という名前だったので、0.01%くらいは本当にドリアンが出て来る可能性もある。この店にはそれだけのポテンシャルがある。私はそれが怖い。

あと、ワインもあるが、メニューが多いといってもワインに合うつまみは、ぬ!(無いの意)。だから、ししゃもあたりで流し込む!

理由6.張り紙に誤字がないときがない

この店の張り紙はすごい。圧倒的な説得力と誤字力がある。

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  維持しますもで。

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今回は誤字はないかも!と思わせてからの「ビンゴゲーメ」に店先で崩れ落ちた。やりたいよ、ビンゴゲーメ!
IMG_3837-0.jpg「申し訳御座いますが」というパワフルな押し切り感は活用したい。

このような誤字は、定型の言葉にはない原始的なコミュニケーションへの意欲を感じさせてくれ、一気に親近感が増してくるのだ。

まとめ 

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夜になるととても静かな通りに、この店の紺色の暖簾が深くかかっている。中を覗き込まないとどんな店かも分からないところだが、覗いてみるとおっさんたちがみっちりとコの字カウンターを囲み、そこそこ年のいった若者グループが手前のテーブルを埋める。きっと何かいいかもな、と思えるはず。

これからの季節、この店から出て、商店街で秋の夜風を浴びると気持ちよいだろうなと思う。この記事を読んでいただいた方がのれんを覗き込んでみてもらえると紹介者冥利につきます。ちなみに、私は落ち着いた頃にまた行きます。

店主はスマートフォン利用。使い方を客が教えている。


京都の土産は三条京阪 伏見の鯖寿司(1500円)で決定ではないか?

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(「伏見」は2016年5月末に閉店してしまったとのことです。本当に残念だよ!)

すみません、半年前から京都に仕事でちょこちょこ通うようになった初心者の30代男が申し上げております。

京都に行った際に、自分や家族向けの土産を探すと結構途方に暮れます。京都の和菓子はとても充実しているのですが、甘いものがそんなに好きではない私はあまり心惹かれない。そうすると漬物とか昆布とかちりめん山椒とか、と小物系に走ってしまいがちです。もちろんそれもいい。でも自分向けのおみやげはもっとなにかこう、

  • ドーンとした実体があり
  • 食卓が華やぎ
  • そこでしか買えない

もののほうが心を揺さぶります。そういった3点を満たすものを、ありがたくも見つけましたよ、という話です。

居酒屋好きの間ではとても有名(それこそ東京もんの私が知っているくらい)な「伏見」というお店が京都は三条京阪のほど近くにあります。

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うまくて量の多い魚と強い個性のあるおかみさんが名物ですが、こちらで飲んでると、その個性のあるおかみさんがやってきて、だいたい以下のやり取りが展開されます。

「鯖寿司1本持って帰りますか。」(淡々とした関西イントネーションのかすれ声で読んでください)

ここで悩んでいると、

「いる、いらない、どっちですか」(同上)

と来る。そこで「んー、すみませんやっぱりいらない」と言うと

「1本はいらない。そしたら、2貫ほど食べて決めなはれ」(仁鶴っぽいイントネーションで読んでください)

で、まあ「そこまで言うなら・・・」と折れ始めると

「まあでも1本買うて、そのうち2貫をここで食べる方が得ですよ」(仁鶴っぽいイントネーションで読んでください)

「えっ?えっ?」

「はいー、鯖寿司1本、2貫ここで食う~」(厨房へ)

果たして、このDoor in the faceテクニックとFoot in the doorテクニックを巧妙に組み合わせた営業トークでビニール袋に鯖寿司を持って帰るおっさんが後を絶たない、というわけです。

 さて、この鯖寿司。1500円です。高いか安いかは皆さんの判断にゆだねます。京都で有名な「いづう」の鯖寿司は1本4500円くらいします。柿の葉寿司は14個で1800円。鳥取は米子の吾左衛門鮓は1800円。ふむ。

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こんな感じの外観です。

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中身は10個に切ってあります(見栄え悪くてすみません)。鯖の厚みはなかなかのもので、とても脂がのっています。酢の締め加減もちょうどいいし、昆布のうまみがじっとりと、そしてしつこくなく浸み込んでいる。まあ、より丁寧に説明するなら「結構うまい」ということになります。1つ1つの食べ応えがあり、サッとした食事にも申し分ない。

さらには食卓にあのがめついおかみの顔が浮かぶわけです。交渉に負けた己の弱さに苦笑いをしながらむっちりとした鯖をかじるのも悪くないものです。「交渉に負けたけど、鯖寿司はうまいから俺は勝負に勝ったの!勝ったんだって!」と虚しく叫ぶのです。どうですか。このイベント性。これこそがおみやげではないか?

なお、おかみによると日持ちについては、「日本基準では明日までに食べて。中国人やったら2日後まで大丈夫言うよ」とのことでした。私は中国人基準で食べきります。当然早めに食べたほうがおいしいですが、量が多いので結構残ります。ちなみに、通常は冷蔵庫には入れない方がいいです。固くなるので。夏場はまあ、どうにかしましょう。

ということで、伏見の鯖寿司おすすめさせていただきました。京都は内陸ということで、若狭などから日持ちのするしめ鯖を運んでおり、大変珍重されていたと聞きます。まあ、そういうゆかりなども含めて鯖寿司、いかがでございましょうか。

なお、お前は分かっとらん!京都の土産はこれやろが!というご意見があったら、ぜひコメント欄などにてご指導ご鞭撻のほどをよろしくお願いします。


特殊中華料理店「味芳斎」のおじさんについて、いくつかの思い出話

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私が中華料理のうまさに開眼したのは、東京は大門にある「味芳斎」というお店のせいだ。会社が近くにあった頃は薄汚くて狭い本店に週1くらいで通っていたものだ。

この店は日本で最初にできた薬膳中華料理(いまは薬膳の看板を返上)の店で、店内は虎のペニスとかタツノオトシゴとか、不感症にきくよく分からないなにかの物体とか、女性のヌードカレンダーとかが飾られ、強烈な味わいでバカみたいにうまい「重慶牛肉飯(通称牛丼)」をはじめとするちょっと独特の四川料理で有名。その料理もさることながら、私自身は店主のおじさんに会いに行っていた面がかなりある。中国湖南省ご出身で、丸い顔に、カタコトの日本語。厨房に対する厳しい指示とヌードポスターが好きな、大変魅力的な、80歳はゆうに超えたおじさんだ。

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これが牛肉飯。あいにく手元に支店の写真しかなかった。

数年前に自分の会社が変わってしまってからこの店にあまり通えなくなったのだが、どうもそのころから店主のおじさんの姿が見えなくなっていた。かなりご高齢だったのでイヤな予感はしたけど、あまり考えないフリをして四半期に一度くらいのペースで牛肉飯をかっこむ、というのを続けてきた。しかし、つい最近、ひょんなことからおじさんが1年以上前に亡くなってしまったという情報を手に入れてしまった。

定かな情報ではないんだが、確かに全くおじさんに会うことはなくなった。途方にくれるような喪失感だし、ネットはいらん情報を自分に無理やりねじ込んでくるし、それをこうして展開するのもどういうもんだかという気持ちもある。でもなんというか、残念だ。その思いは吐き出したい。

おそらくこの店に通っていたそれぞれの方が味芳斎おじさんとの思い出を持っているのだろうが、私も歴史は浅いながら思い出深いいくつかのエピソードがある。吐き出して自分の思いをせいせいさせたい。脚色なしの実話であることは当方が保証いたします。(会話については記憶にもとづいて多分に創作です)

エピソード1 礼儀について

この店に通い始めた初期、友人の誕生会で本店を6人で予約。本店は4人テーブルが4つくらいと、かなり狭いんだけど、おじさんも「イイヨー」って言ってたのでお言葉に甘えた。しかし、約束の時間になっても私以外の参加者が全く集まらず、おじさん超激怒。

「ニホンジンハ教育タカイケド、レイギガナッテナイヨ!」

「ニホンジン戦争デ負ケタクセニゴウマンダカラオモイシルガイイヨ!」

と他の友人が来るまで一対一でしかられ続けた。30分以上遅れて友人が来て、それでも料理を頼んで食べたりしていたのだが、おじさんは牛肉飯を持ってきては「レイギガナッテナイヨ!」、紅焼茄子を持ってきては「レイギガナッテナイヨ!」と罵倒。

「皿を持ってきてはレイギガナッテナイヨと叫ぶマシーン」と化したおじさんにちょっとこれはマズい・・・となって早めに出たのだが、出るときも「レイギガナッテナイカラ、モウクルナ!アリガトウ!」と追い出された。聞き間違いかもしれないけど、最後アリガトウって言ってた。

で、まあそうは言ってもこりゃあ、ほとぼりが冷めるまで行けないな、と思って、1ヶ月の冷却期間をおいて再度訪問したら、「アー、イラッシャイ」と迎えてくれた。その時私は「ああ、ほとぼりってのは冷めるもんなんだな」としみじみ思った。

エピソード2 傘

ある雨の夜、味芳斎に到着して傘を畳もうとしたところ、傘が壊れており指を怪我してしまった。
外では暗くて怪我の様子も見えないし、飯は食いたいし、ということでとりあえず店に入ってみると、思ったより傷が深くダラダラと血が出ている。

仕方なくティッシュで血を止めていたら「ドウシタ」とおじさん登場。「いや傘が壊れてて指切っちゃって」と言うと、「イイ薬ガアルヨ」と店の奥に。何を持ってくるんだろう……店内に飾られた虎のペニスとか謎の物体の酒漬けが恐怖をかきたてる。
戻ってきたおじさんは小さな薬の容器を持ってきた。

「ユビダシテ」

観念して指を出したら、その容器からごっそりと白い軟膏みたいなのをすくい出して、猛烈な量を私の指に塗りたくった。80男の指と30男の指が強烈に絡み合う。うわああああ、とのけぞっていたら

「コレハニホンジントカ絶対知ラナイ。料理人ガ大怪我シタトキ二ツカウ特別ナ薬ダカラスグニ血トマルヨ」

と自信満々なおじさん。軟膏を塗り終わった指はすっかり血が止まっていた。びっくりだ!ありがとう!おじさん!でも、軟膏がヌルヌルで箸が持てない!

エピソード3 ヘア

昔の味芳斎本店は店内見渡す限りヌードカレンダーとかヌードポスター(しかもヘアあり)が貼られていた。当時は全然気にしていなかったが、今思うと本当に異様な店内だ。一回職場の上司を連れて行ったことがあるが、ヘアービューの席に座って絶句していた。

そんなこの店の大きな特徴であるポスターであるが、ある日そのほとんどが一掃された。壁が白い。肌色じゃない。なんだこれ。おじさんに理由を聞いても「フッ」と笑うだけである。
しかし唯一、店を入ってすぐ右にある蒼井そらの特大ポスターだけは残り続けた。おそらくおじさんは蒼井そらになみなみならぬ情熱を持っていたのだと思う。直接は聞けていないが、たぶんそうだ。ビリビリになってもずっと貼り続けていたのだもの。

なお、どうでもいい話だが、そのポスターの前の席に座ると、蒼井そらのヘアがちょうど自分の頭あたりに来るような状態になり、ものすごく毛深い美女みたいになるのが楽しかった。ように記憶している。

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この店は、筒井康隆の薬菜飯店を思い出す。

 

エピソード4 死

 

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裏名物のピーマンレバー

その最後の牙城、蒼井そらポスターもなくなった頃。店内のヌードポスターは全くなくなり、代わりに入れ墨をした男が尻を丸出しにしたカレンダーがそこかしこに貼られるようになった。同時に、店に行ってもあまりおじさんに会うことがなくなってしまった。

そんなある日、友人と来て牛肉飯をむさぼっていたら、向かいに50過ぎた紳士が座った(店は狭いので相席が当然である)。で、私は友人と「そういえばポスターなくなったよね。」「ていうか最近おじさん見ないよね・・・」なんて話をしていたら向かいの紳士が唐突に話しかけてきた。

紳士「やっぱりそう思いますよね!最近おじさん全然見ない!」
私 「そうなんですよ。まさか・・・おじさん・・・」
紳士「ひええ!いや、僕、こうなったら店員さんに勇気を出して聞いてきますよ!」

紳士は急いで定食のピーマンレバーを食べ終えてレジ前に立つ店員に会計がてら聞いた。

「あの・・・おじさんって亡くなったんでしょうか?」

おいおい、どストレートに聞くなよ!と思ったら奥の厨房から聞き覚えのある声が。

「カッテニヒトヲコロスナ!」

おじさんは単に厨房で休んでいただけのようだ。すごい剣幕で出てきた。

「イキテルゾ!」

そのあとはおじさんなんて言っているか分からなかった。とにかく怒っていた。なんか、包丁持っていないけど、包丁をふりかざすようなそぶりをしている。紳士は「ひえー!死んでないじゃないすかー!」と頭を抱えて逃げて行った。私は牛肉飯を食べながら「ああ、自分で聞かなくてよかったな」と思った。

以上、ささやかながら4つのエピソードを自分のためにまとめさせていただきました。
今は本店はとてもさっぱりしているけど、相変わらず牛肉飯はおいしいし、雑然とした空気は残っています。これからもいちいち通っていきたいと思っています。ごちそうになりにいきます。


会議室完備のセルフ酒場で打ち合わせ!都会のオアシス「ぬ利彦ビジネスコート」

(現在この「ぬ利彦ビジネスコート」が入っていた「第一ぬ利彦ビル」が建て替えのため、閉店しています。完成は2017/3/31とのことですが、建て替え後にビジネスコートが残っているかは残念ながら不明です。)

タイトルがくどくなってしまいましたが、本当に素敵なお店でしたので興奮とともに報告致します。

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「ぬ利彦ビジネスコート」です。何度でも口に出して読みたい。「ぬ利彦ビジネスコート」

宝町駅徒歩1分、京橋駅徒歩4分くらいのところにある居酒屋・・・ではなく「ビジネスコート」。生ビールを全自動マシンで注ぎ(300円)、チューハイを自分で注ぎ(200円)、飯は無料の柿ピーその他(日替わりでキムチ、冷奴などを確認済)を自由にとって食い、そして酒類以外は何でも持ち込みOKという徹底したセルフ化がなされております。

店内は広々としており、2Fにはホワイトボードが設置された会議室完備。つまり、酒を飲みながら打ち合わせできます。酒も飲めるし会議もできるし最高じゃないですか!

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さて、私は先日一人でふらっとここを見つけて入ったので、その際の詳細レポートを。

飲み会のおともに!

ぬ利彦ビジネスコートへの行き方

場所は宝町駅徒歩1分、京橋駅徒歩4分くらい。昭和通り沿いのビルです。でも入り口は路地にあるので普通に歩いていると確実に見逃します。

〒104-0031 東京都中央区京橋2丁目9−2 第一ぬ利彦ビル
開店時間:17:00~21:30 (飲酒可能タイム) 土日祝休

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圧倒的な「ぬ」感。

 

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このビルの1階南側にコミュニティストアーというコンビニがありますので、そこから西側に(京橋方面)路地に入ります。

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すると、ビル内になんとなく喫茶店な雰囲気のお店が見えます。外には全く表示がないので注意。

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入り口正面がこのような感じです。いにしえの観光施設を思い浮かべるような佇まいです。17時以降は特にお金を払わずに入れますので、躊躇なくそのままガッシャンといってください。
17:00までは300円でソフトドリンク飲み放題のカフェになっています。それはそれですごい。

中に入るとこんな感じの空間が広がっています。(店の奥からの写真。右手非常口サインの下が入り口です。)

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店員は大変チャキッとしたおじさん1名。とても気さくかつ、ほどよく距離感をとってくれるので、大変心地よい接客でした。操作に困ってるとすぐ飛んできてくれます。撮影の許可も快くいただきました。

「ぬ利彦ビジネスコート」の特徴

1.全部自分でやる。だから安い

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ビールは自動サーバーにジョッキをセットして300円を入れると素敵に注いでくれます。ジョッキは店中央の冷蔵庫でしっかり冷やされてるんですねえ。ビールはレーベンブロイ生ですので、大変美味しいです。
ちなみに、放っておくとちょっと溢れる仕様だそうで、ギリギリになったら自分でスッと取り出す必要があります。店員のおじさんに「引かなきゃこぼれるヨッ、ヨロシクネッ!」と言われました。

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「300円レーベンブロイ~無料の柿ピーを添えて~」

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チューハイはこちらのサーバを使います。左下のトレイにチャリンと200円入れて、自分で好きに注ぎます。店員さんによると「奥に押すと炭酸がでるからネッ!」とのことです。濃さを調節できるということですね。

チューハイ好きの方のための情報をお伝えしますと、中は宝酒造の「純」です。ハードコアなチューハイ好きには少し風味が感じられすぎてしまうかもしれません。でもアルコールも程よく濃くしっかりとした圧の炭酸が効いていて、さわやかに酔えます。また、コップに入れるチューハイと氷の量は自分で調節できるので、氷を少なくすればヘタな店の2杯分くらいは簡単に注ぐことができます。1000ベロならぬ400ベロくらいも可能かもしれません。

なお、レモンはないので、必要な人は持ち込むことを推奨します。

その他の酒類は冷蔵庫に入っているので取っておじさんにホイっと見せます。ほぼコンビニ売りか、それより安いくらいのお値段で日本酒、ウィスキーハイボール、ホッピーなどが飲めます。

特にキンミヤ300ml瓶300円とホッピー100円の組み合わせは強烈です。ピンとこない方のためにお伝えすると、だいたい1杯あたり焼酎70ccくらいが適量。つまり4杯分はこれ1本でまかなえるわけですね。ホッピー代も合わせると700円で4杯いけるということです。ひええ。

(いや、家でやればそりゃそのくらいの値段ですけど、ここは居酒屋・・・ではなくてビジネスコートですから!)

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ぬ利彦さんは酒の卸業をされているので、その関係もあるのでしょうか。それにしても、この店のすぐ近所の茅場町にセルフ居酒屋の偉大なる店「ニューカヤバ」がありますが、ここらへんどうかしてるんじゃないですかね。

2.あろうことか、酒類以外持ち込み自由

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店内酒類以外持込自由です。向かいがコンビニ(コミュニティーストアー)なので、そこで買って持ってくることができます。デパ地下などでたっぷり買ってここで広げるというのもよいかもしれませんね。

ちなみに歩いて数分のところに肉のハナマサがあるので、ひき肉1kgやとんこつ冷凍パック2kgを買ってきて眺めるというのもいいでしょう。

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私はそんな趣味はないので、コンビニでポテサラを購入して食べました。うまい!

3.会議室・個人ブース完備

2Fは会議室です。ホワイトボードもあるので会議し放題です。プロジェクターがあれば抜群でしょうが、確認していません。

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飲み会をしているときにホワイトボードがほしいと何度思ったことか。考え方次第でいろんなことに活用できそうです。会議室ブースは予約もできるそうです。「酒を飲まない人は250円もらうけど、あとは飲んでくれたら別にお金かかんないよ」とのことでした。

なお、部屋の奥には個人用ブースがあります。味集中カウンターというか、酒集中カウンターとでもいうんでしょうか。家じゃないところで一人で酒と対峙するところってあんまり無いような気もするので、なかなかな空間です。

4.落ち着く

いきなり主観的な話になりますが、落ち着きます。お店がそこまで目立たないからか、あまり客は多くありません。近所のサラリーマンが静かに利用していました。また、店内はテレビが多いですが、音量はかなり控えめ。

あとは、80年代~90年代初の雰囲気がビシビシとする店内の内装が私の脳にやすらぎをもたらすのでしょう。

ぬ利彦の歴史

nuri当然ここまで読まれた方の中では、「ぬ利彦」ってなんなんだ、と興味がわきますよね。ホームページが充実しているので詳しくはそちらをご覧いただくとして、こちらではダイジェストを。

ぬ利彦は1717年、中澤彦七が創業した酒類、醤油等の卸売りの会社です。都内にかなり強い地盤を持っています。今はそれに加え「株式会社ぬ利彦ITソリューションズ」という関連会社でITソリューション業なども行われているそうです。会社名が素敵です。

この特徴的な社名の由来は初代の「塗屋彦七」という商号から来ているそうで、商号の「塗」と「彦」をとって「ぬ利彦」と名前をつけたとか。これは現代で言えば「木村拓哉」を「き夢託」とする、みたいな感じでしょうか。

また、この近辺の「宝町 」という町名(現在は「京橋」に統合)はこの会社の七代目中澤彦七さんが提案したそうでございます。この地にどっしりと根ざした会社であることが伺えます。

このビジネスコートは現社長九代目中澤彦七が海外のホテルにあった「ビジネスコート」を参考にして始めたものだそうで、収益よりも地域への貢献を考えて続けているとのこと。いやあ、なんともありがたい話です。

総括

というわけで、私はこの「ぬ利彦ビジネスコート」大変気に入ってしまいました。活気のある立ち飲みもいいですが、座ってダラダラと持ち込み飯をつまむ時間というのも素敵なものです。おそらくこれから何度も通ってしまうことでしょう。

チューハイを飲みながらホワイトボードでどうでもいいことを説明したい方。東京駅~日本橋付近でとにかく安くて落ち着けて座れる店が欲しい方。「ぬ利彦ビジネスコート」の活用をおすすめさせていただきます。

以上、よろしくお願い申し上げます。


「ささの葉」はおそらく吉祥寺で一番おいしい店だ

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西荻窪に4年間住んでいたので、吉祥寺を含む飲食店にある程度通ってきたのですが、この「ささの葉」というところは他の店にはない風格と特異性と愛嬌にあふれる、とても楽しい店です。

年間数百軒の飲食店で飲食と散財を繰り返す某氏に紹介いただき、数年前よりしばしば通うようになりました。その方によれば、この店は「15年吉祥寺で飲み歩いている中で、最もうまい店」で、その言葉に異論はないなあ、と思います。

場所はハモニカ横丁のどん詰まり。駅から歩いて3分くらいでしょうか。場所は詳しく書かないので、是非探検を楽しんでください。
カウンター8席くらいと、この下の写真でおっさんが座っているテーブルだけという狭い店です。扉はなく、ふきっさらしです。正直、近くを通りがかっても入る度胸は出ないタイプの店です。

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別の日のささの葉

この日は19時オープンに合わせて店に行きました。マスターは奥にどうぞと勧めてくれますが、いったん奥に入ってしまうとお手洗いに出るためには店にいる皆様にご退場願わなくてはいけないくらい狭いので、いささかトイレ頻度の高い私の要望で表のテーブルで乾杯です。

ちなみに、7時も10分くらい過ぎるとこのカウンターは一杯になっていました。1人客、2人客が多いですね。

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ちょっと写真を拝借して店内

ビールはエビスだけです。ワイングラスで飲みます。

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この店、メニューは全くありません。カウンターに乗っているものを「これは何?」「これください」とコミュニケーションしながら注文していくスタイルです。

さっそくカウンターにある保冷ケースから刺盛りを2皿選んで注文。値段は不明です。たぶん1000円~2000円の間ではないかと思いますが、この後の状況を見ればそういった勘定は全く意味のないものになることが分かっていただけると思います。

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本日の内容は、マグロ脳天、赤貝、アワビ、そしてはまぐりの刺身(!)。

写真ではよくわからないかもしれませんが、一般のお店の3~4人前くらいの刺盛りに相当する量がみっちりつめ込まれています。盛り付け、という概念はあまりありません。刺身を食べる醤油は東と西を選ぶことができます。「西」は九州の醤油ですのでべらぼうに甘いです。一般的な方は「東」を選択されるのが良いかと思います。

今回の刺盛りではまぐりの刺身というものを初めて食べました。ちょっとびっくりするくらい美味しかったです。言ってみればあれです。はまぐり味満載のじゅるっとした物体でした。はまぐりなので当たり前ですが、まあ、なんというか、そういうことです。

次にマスターから「アナゴあるよ」との宣言が出たので、白焼きを注文。焼きたててジクジクと脂が跳ねる白焼きがやってきました。一緒に来た友人の顔にかざしました。値段は不明です。マスターは状況に応じて人数分盛ってくれます。きりっと塩が効いて脂がしっとりと乗っていてたまりません。

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そうこうしていると、今度はさといもに筋子がかかったやつが出て来ました。値段は不明です。これは同行者オススメだったのですが、正直こんなの食べたことないので戸惑いました。食べてみると、さといものじゅるっとしている加減が筋子の塩気を引き立てる、大変計算された食べものでした。圧巻です。

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正直もうちょっとちゃんと写真を撮りたかったけど一瞬で無くなった

食もひと段落したところで、ビールをひたすら飲んでいたらししゃもが出てきました。値段は(略)。誰も頼んでいませんが酒のつまみにちょうどいいです。

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お酒メニューもありませんが、ビール、日本酒、棚にかざってある焼酎、紹興酒などがあります。たぶんチューハイとかはないです。ビールはたぶん、注文した本数はお店で全くカウントしてないのではと推測しています。最後に分かります。

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これはサービスで出てきた、モツをどうにかしたやつにトマトを添えたやつ(仮称)です。値段(略)。これもやはり考えられています。炒めた味の濃いものとトマトの組み合わせは大変よいものです。なんというか、随所に店主のセンスとオリジナリティを感じます。
オリジナリティもエッと驚くような押し付けがましいものではなく、店主が必然性を持って選択したもので、食べる側は「ああ、納得」というものが多いです。

ビールはたぶん20本くらい飲んで、私は焼酎の三岳を4杯飲んでお会計で5名で20,000円でした。
これ、かなり安いと思います。

まあ、正直初見でこの店に入れる人がいたら本当に尊敬するくらい入るハードルは高いお店ですが、入ってみたらまあありましたよ、桃源郷。という感じのお店でございます。


ささの葉のビールはエビスだけです。


ささの葉でイチオシの日本酒です。

 

 

 

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さて、ここでお店のレポートは終了して、この店を紹介してくれた吉祥寺で年間数百軒を飲み歩いているポックリボーイ氏のズボンを紹介します。

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尻の部分に口があり、チャックになっていて開けることができます。聞くと「今年はこれで行く」と言います。「今年はこれで行く」。重い言葉です。

どうやってこんなズボンを探すのか?どこに売っているのか?と彼に聞いたところ、

「Googleで「ズボン 派手」で検索するんすよ!」

とのことでした。

正直私は目からうろこです。普通の人間は「ズボン 派手」とは検索しない。だからこのズボンの存在を知らない。ちなみに冬のコートも「コート 派手」で検索したものを購入したそうです。以下がその写真です。雷コーディネートですね。正直なところ、彼のこういうところは心から尊敬しています。

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ついでに、上記記事でアナゴをかざされた友人は地獄のミサワという名前で、「外人にマウスカーソルを当てると痰を吐く」ページが大ヒットして赤塚賞を受賞した気鋭のホームページ職人です。今やきゃりーぱみゅぱみゅさんと対談するなど大変有名になり、世界を飛び回っています。近年は結婚してイスタンブールで執筆活動をしているとか。私はもう10年以上前にホームページつながりで彼と知り合い、面白さとは何かについて夜通し話し合った仲です。

私はきゃりーぱみゅぱみゅさんのことが好きなので、ひととおり彼女の事を聞きました。初めて会った印象はどうでしたか、かわいかったですか、スリーサイズは何でしたか、など。ミサワは丁寧に1つ1つ答えてくれました。

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なお、誤解される方もいるかもしれませんのでちゃんとお伝えしておくと、彼はそういうことを言う人間ではありません。上記キャプションは私の創作ですし、基本的にここに書いた彼の情報はだいたい嘘です。

以上、よろしくお願い致します。