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業の肯定!僕らの肉ソング特集 第3回 女性肉シンガーソングライターの登場

DSC03303さて、大変時間があきました、この肉ソング特集。私が手がけた中でも最も反響の少ない特集となっております。皆さんが興味無いのは分かっております。でもやるんだよ!

日々食卓に上るお肉。いつもお世話になっています。だからこそお肉への感謝、そして敬意をしっかり表すべきです。そのために肉ソングの一つでも諳んじられんでどうするのや!とまあそんな感じのコンセプトだったような気がするんですが、忘れました。

前回前々回とそんな肉ソングを取り上げてまいりましたが、これらの特集にあたって、まだ聴いたことのない肉ソングを探しました。全国津々浦々とにかく探しました。主にYoutubeで探しました。

そうしましたところ、肉ソングを重点的に作っているシンガーソングライターさんを発見させていただきました(日本語がなんか変)。これまでの肉ソングで出てきた子供やら落語家やら謎の活動弁士やらではございません。女性です。これは否が応でもテンションがあがります。

この方はライブ予定を見てもお肉屋さん店頭ライブや芝浦の市場まつりなど肉関係のものがとても多く、かなりお肉方面に精力的に活動されている方です。今回、そんな方から宮崎県で発生した口蹄疫被害復興のためのチャリティーソングとして作られた肉に関する代表曲を2曲ご紹介させていただきます。

肉肉筋肉

まず、曲名がすごいです。インパクト抜群。さらに曲の紹介を読んでみると「九九の二の段が覚えられる」という文があります。戦慄が走りました。

来るのか。ハレルヤを「晴れるや」と掛けるくらいの禁じ手、肉と2×9を掛ける、あの禁じ手が。

聴いてみます。チープでキュートな電子音の伴奏。そしてすぐに2の段来ました。さらに2☓9は18ではなく「肉おいし~~」という言葉。我々を肉の高みに連れて行きます。

この曲を聴いて思い出すのはこのCMです。

きっとこの曲とイトメンの二八そばのCMを見て育った子どもの2の段は「にいちがに、ににんがし、にさんがろく、にしがはち、にごじゅう、のろくじゅうに、にしちじゅうし、にはちそば!肉おいし~~~!」となることでしょう。

とてもいいと思います。

29Rock

2曲目は先程と打って変わって力強いロック。いいですね。牛、豚、鶏、肉それぞれが自らのうまさを主張し、張り合うというコンセプトがまず肉ソング的にストレートでいいです。

聴きどころとしては、メイン部分の終わり「ステーキィィィィィィ~~~~!」という奇声です。この後、鶏肉ではどの料理が奇声になるのか、豚肉ではどうなのか。その期待が高まります。その答えは是非聴いてみて確認してください。きっと「あ、これ、奇声でOK」って思うんじゃないかと思います。

ということで、肉ソング、まだまだ集めていきます。
今後共よろしくお願いいたします。


業の肯定!僕らの肉ソング特集 第2回 お肉好き好き(石川梨華)・お肉食べようのうた (ハル&チッチ歌族) ほか

さて、全く反応のなかった前回の記事に引き続き、肉ソングを特集してみます。「牛ちゃんマンボ」は個人的に大ネタだったので1つの記事にしましたが、今回は複数の曲をまとめてレビューいたします。肉ソング研究家と呼ばれる日が来るまで、私は胸焼けを抑えながら休み休み頑張る!

お肉好き好き 石川梨華


元モーニング娘。の石川梨華さんが歌う曲で、スーパーの精肉コーナーでよくかかっています。2003年にJビーフ・Jポーク・JチキンのCMとして作成された曲です。バックで踊っているのは若き日の(今も十分若いですが)Berryz工房などだそうで。

かわいらしい子供の声で無邪気さをアピールしたポップソング。これこそ肉ソングの王道、という感じです。ハロプロらしさもふんだんの、満足の出来になっています。

「ジャストミートでかっとばそ」の前の一拍のタメ。これがこの曲のアクセントです。とてもいいです。「ン、ジャストミートでかっとばそ!」ですね。タメっていいですよね。

合わせて「かっとばそ」の後のカウベルが効いています。肉の歌でカウベル。このカウベルという楽器はこの曲のためにあったのではないかという必然性を感じます。野の牧草を食べる牛を思い浮かべながらのどかにお肉を食べたいものです。

 

お肉食べようのうた ハル&チッチ歌族


モヤモヤさまぁ~ず2で肉屋さんなどが出てくるときによくかかる歌です。「ハル&チッチ歌族」という湘南発のファミリーソングユニットが歌っています。このユニットは大人の男女、子供の姉弟の4人組みですが、実際血のつながりは姉弟にしかない、というユニットです。血のつながりなんて些細な問題ですよね!

導入部の「おにくたべよ、おにくたべよ」という一発で耳につくフレーズは惚れ惚れとしますし、全体的に歌唱や録音も安定していて充実のクオリティ。途中の、(たぶんですけど)デーデーデーデーデーデーっていう大滝詠一オマージュもバッチリな異物感とともにハマっています。さらにはBメロで「かわいい」と歌った返す刀で「煮ても焼いても揚げても」と切りつけるその容赦ない歌詞がとてもいいですね。大変好感です。肉ソングはこうでなくっちゃ!

 

ギュウジンガー・ブラックのテーマ 水木一郎


鹿児島黒牛のアピールのために作られた曲で、あの水木御大が歌う、という低予算がお決まりの肉ソングにしてはとても贅沢な曲です。

ヒーローもののフォーマットを利用しつつ、ヒーローが食べられる側という設定が珍しい作品です。他の例はアンパンマンくらいでしょう。

アンパンマンは「アンパンを食べよう」というストーリーではないので問題ないですが、ギュウジンガーは「肉を食べよう」という目的の歌です。そういったところで肉として食べられる側を主人公にしてしまうと、いたたまれなくなります。なりませんか。

また、お肉をヒーロー化するというコンセプトや、歌詞の中に入る「喜んでこの身を燃やすぜ」というメッセージには、どうも身の入ってない半笑いのふざけっぷりを感じてしまいます。

いち肉ソングファンとしては、白痴のごとくストレートに肉食を肯定する「牛ちゃんマンボ」や、、身を切る覚悟をポップな雰囲気で容赦なく実現している「やなせたかし」のような覚悟を見たいものだなあ、と、思います。偉そうにすみません。

あと、吉田戦車の名作「ぷりぷり県」という漫画に「暗黒星人」という食べ物が出てきます。この暗黒星人は捕食される喜びに目覚めた宇宙人で、自らが安定して捕食されるために、その卓越した科学力をいかんなく発揮して人間の記憶をコントロールする、という素晴らしい生物です。これもまた、捕食されるヒーロー(?)としての一つの到達点であります。

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暗黒星人近影(画像はお借りしました。すみません。)


「ぷりぷり県」とあの「たま」がコラボレーションした名作です。

 

バイキング食べ放題 桂雀三郎&まんぷくブラザーズ

肉というよりも食べ放題に関する曲なのでちょっと違うのかもしれませんが、肉に関わる欲望をうたったものの中でも最も有名な類に入るかと思いますので取り上げました。

焼肉の食べ放題現場ほど人間の肉食に対する欲望を、ありのままに間近で見ることのできる場所はないでしょう。肉を見る。好きな肉を皿に盛る。そして焼いて食べる。タレをつけ放題。割り箸も割り放題。そんな人間の堕落した姿を「ヨーデル」でまろやかに、かつ見事に描き切った曲であります。

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桂雀三郎さん

さて、このあたりで海外の肉ソングにも少しだけ目を向けてみましょう。

 

Meat Man  Jerry Lee Lewis

あのワイルドなロックンロール野郎、Jerry Lee Lewisも肉の歌を歌っています。

A born in Texas
A land of beef
Never cared much for greens
Ya’ oughta heard I like meat

しびれます。A land of beef。A land of beefと呼ばれたい土地だけが牛肉を自慢しなさい。ふてぶてしいピアノプレイからの客先目線が大変いいですね。あと、最後のM! E! A! T!の掛け声ね。
まあ、正直どういった背景の曲なのか真意は掴み兼ねていますが、とりあえずシンプルに肉な曲だと信じています。

という、良きアメリカの曲を聴いていただいたところで。

これまでは肉食を肯定する曲ばかりを取り上げておりましたが、実際のところ肉を否定的に取り上げる肉ソングもあるわけです。両論併記です。公平な紙面を目指したいと思います。

Meat  is Murder    the Smiths

the Smithsの曲です。この曲が入るアルバムのタイトルにもなっています。これを初めて聞いたときはモリッシーもどこまで本気かよくわかってなかったですが、まあ、とにかく「肉は殺人(人?)」である、とストレートに歌っています。大変陰鬱な曲調に非常に面倒な気持ちになります。

でも私はこの曲が入っているアルバム全体が大好きです。何回も聴いてみて思いましたけど、「いやーほんと、Smithsの最高傑作!とってもいい曲ばっかり!そしてそれはともかく肉おいしい!」という感じで聴くのが一番正解なのではないかな、ということです。

INUの「メシ喰うな!」を聞いてメシを喰わない人がいないように、モリッシー(the Smithsのボーカルです)に「肉喰うな!」と言われても、肉を喰ってもいいわけです。彼らの音として流れてくる主張めいたものをじっくりと聞いた上で、笑顔で血のしたたるステーキにナイフを入れ、いろんな感情が混ざった「肉喰ってるなあ」というつぶやきとともに咀嚼するのです。それがこのアルバムへの真摯な対応だと信じています。

というわけで、よくわからない結論になってしまっておりますが、以上、よろしくお願いします。

次回は日本に現れた肉ソングディーヴァ特集です。待て次エントリ!

 


業の肯定!僕らの肉ソング特集 第1回 牛ちゃんマンボ(山崎バニラ)

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肉、食べてますか!私はそんなにだけどまあまあ食べてます!

スーパーの精肉コーナーを歩いたり、テレビのCMを見たりしていると、お肉をすすめる曲が流れていることが多いですよね。これ、じっくり聞いてみると、それぞれ独特の味わいがあるものです。

子供じみた無邪気な食欲と、血を求める獰猛さと、生命を断つことに対するほのかな罪悪感。「でも、そういうもんだよねぇ」という一種のあきらめと思考停止。そんな肉に関わる思考にポップなフレーズでくさびを打ち込む。それがこの「肉ソング」でございます。

本特集ではそんな陽気な肉ソングを集めて、私なりにレビューしてみたいと思います!私は曲を集める行程で既に胸焼けしていますが、まずは第1弾、どうぞ!

牛ちゃんマンボ 山崎バニラ


活動弁士山崎バニラの若きころのマスターピースとして名高い曲です。2002年発売、山崎さんの実質的なデビューシングルなのだそうです。映像内では「歌手の山崎バニラさん」と紹介されているのが興味深いです。

私はこの曲を初めて聞いたときに体に電撃が走りました。それこそ肉ソングに興味を持つきっかけとなったわけです。その電撃の理由はこの曲の歌詞のすさまじさです。

元気 元気 今日も元気に牛はモーと鳴く
いつも牧場でおなかいっぱい 草をいっぱい食べてるよ
ぶらぶらしっぽ ブルンブルン ぶらぶらしっぽ ブルンブルン

まず、Aメロから牛のかわいさをアピールします。元気。そしてBメロで「ぶらぶらしっぽブルンブルン」と、そのかわいさを受けて、さらに発展させます。しかしです。そこからサビに入ると、富士急ハイランドのFUJIYAMAも真っ青の急転直下、突然そのかわいい対象を食べ始めます

すき焼きうまいよ 焼き肉もマンボ マンボ
牛(ギュウ)ちゃん牛ちゃん頑張るぞ 頑張るぞ
しゃぶしゃぶうまいよステーキもマンボ マンボ

モーモー もう一度お友達になってよね オレッ!

このサビの何よりもすごいのは、本当にピュアに肉食を推奨し、さらに、食べられるかわいい牛に対して「がんばるぞ」と促しているところです。

通常、これから食う対象に対して「がんばるぞ」とは声をかけない。捕食する立場からのただ事ではない強烈な上から目線。そして締めの「もう一度お友達になってよね」という自分本位な姿!これに興奮を覚えなくて何に興奮をしろというのでしょう。自分たちの肉食に対する逡巡を一切振り払う強烈なフックです。

この曲の作詞作曲は「およげ!たいやきくん」の佐瀬寿一・高田ひろおコンビ。思えば「およげ!たいやきくん」は食べられる側の諦観と自己承認の歌でした。それを通り抜けた上でのこの曲の捕食する側の吹っ切れたエゴの描き方。突き放した牛のかわいい描写。普通の神経をしていたら、曲の冒頭で「牛がかわいい」なんてことを歌ったりしません。このコンビ、やはり只者ではありません。

上記動画、最後にアナウンサーは「どのような気持ちでこの曲を歌われましたか?」と山崎バニラさんに聞きます。すると「すき焼き食べたいな~という気持ちで歌いました」と回答します。このやりとりは曲の姿をビビッドに際立たせています。

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これがマンボなのかどうかはともかく、曲としてのクオリティも高く、山崎バニラの強烈な歌声も一度聴いたら離れない。長く聞かれるべき名作だと思います。

なお、私の住む町の盆踊りは牛ちゃんマンボで踊る、ということを申し添えて本記事を締めくくらせていただきます。ありがとうございました。