小咄 甘味処

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えー、先日なんですが。まだまだ暑かったんで、打ち合わせ終わりに取引先の白田(しらた)マネージャーに誘われて一緒に甘味処に入ったんですね。甘味処。行きつけらしくて、店の人にも「あ、白田さんどうも」なんて言われててね。まあこりゃ粋だな、と思いましたね。

んで、あたしは冷やしぜんざい頼んでね、白田マネージャーはフルーツ白玉あんみつ頼んで。おたがい甘党ですねえ、とか美味しかった浅草の甘味屋の話とかで盛り上がったりしてね。で、「こんだけ甘味に命を注いでる白田マネージャーの行きつけの店なんだ、どんだけ美味しいんだろう」って期待を高めつつしばらく談笑してましたらね、えー、やっと店の人がお待ちかねの品を出してきたんですね。

そしたら、出てきたものを見た白田マネージャーの顔色がサッと変わったんです。明らかにおかしい、って顔をしてる。そんな顔見せられちゃ、あたしゃ自分の冷やしぜんざいどころじゃないですよ。スプーンを置いてあわてて白田マネージャーの前にある涼しげな透明な器を見たんですね。

そんで、あたし、ピーンと来ちゃったんです。

そこにあるのはただのフルーツあんみつだって。あの白くてちゅるんとした大事なものがないって。あのあんみつに実体とカロリーを与える高貴なあいつがいないんだって。

これはいけない、ここはあたしが店員に!と思って手を上げようとしたら、白田マネージャーはそれよりも先に「おーい」と手を上げて店員にこう言ったんです。

「ねえ、ちょっとちょっと!白玉ねえじゃん!」

これが後世に語り継がれる白田マネージャーの「白玉ねえじゃん」発言事件のあらましでございます。その後、彼は陰で「白田ま」と呼ばれるようになったそうでございます。彼、色白でちゅるんとした甘いマスクなので一気に浸透したとかしないとか。

おあとがよろしいようで。


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