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正しいと思っても間違っていることってたくさんある。

昨日は友人(男)と二人で千葉の勝浦まで行ってきた。

魚を食い、港を見て観光の目的も果たした帰り道。友人の実家も千葉にあるので、「ついでだからちょっとお前の実家のある街に行ってみたい」と言ってみた。

知り合いの生まれ育った町をみるというのは興味深いものだ。どのような土壌が彼のような歪んだ人間を作り上げたのか。今現在、相当な時間をともに過ごしている彼の生まれ育った町は、私の実家に似て非なるパラレルな世界を見せてくれるのではないか、そんな期待があった。

実際つらつらと流れる田園風景やイチゴ農家の渡辺君の家、そして彼の姉の職場を見るとえもいわれぬ満足感が私を襲う。小学生の遊ぶ姿を彼の幼少期に重ねてみるのも楽しい。

しかしやはり彼の生家を見ないことには物足りない。ウェハースのないパフェみたいなものである。恥ずかしがる友人を強引に説得して渋々ながらに家の前まで連れて行ってもらうが、ここでハタと気付いた。

こんな実家のまん前まで来て親に挨拶をしないのは非常に心苦しいのではないだろうか。人の道として外れているのではないだろうか。

「ここまで来たんだから親に会いなよ。」

この私の助言はこんな結果を生み出した。


・なんでいきなり息子が友人を連れて帰って来るのだろう、と戸惑う友人の両親
・なんでいきなり自分の親に友人を紹介しなくてはならないのだろうと戸惑う友人
・なんで友人の親に紹介されているんだろう、と戸惑う私


帰りの車中、それまでと打って変わって無言になった車内で彼のお母さんにもらった黒豆せんべいを食べるバリバリという音だけがひびいた。