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1997年 最初に思い出すこと



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写真は関係ありません。

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オイサオイサで山車ラジオの第8回後半(1997年)をアップしました。

1997年というと私は浪人時代で(皮肉ではなく)人生の春を謳歌していたわけですが、最近この1997年を思い出すと、必ず最初に以下のエピソードが出てきます。

当時入寮していた代々木ゼミナール広島寮の食堂では毎朝晩に食事が出ていましたが、その朝飯の際。薄い知り合いの竹本君が隣のテーブルで他の友人と飯を食っていました。

竹本君は楽しそうに友人と談笑しながら周囲をうかがう不穏な動き。私は隣にいた吉原と相良君のバカ話を無視しながら彼の不穏な動きに注目しました。こいつらは朝からうるさい。

いや、そもそも席に着く前からおかしかったのです。彼のテーブルの真ん中にある皿。これには1人1個だけ取ることができる生卵が4個積み上げられていたのですが、それは竹本君がプルプルしながらこぼさないようにわざわざ持ってきていた。そしてそれを皆がニヤニヤ見ながら誰も食べる気配がない。

なんとも怪しい。隣で飯を食っている吉原が「スコラに出ていたあのグラビアが、どうみても女陰が見えるはずなのに見えないからおかしい」とか言っています。朝の7時半なのにそれです。でもそんなものはその時の私には関係ありません。彼らの動向が気になります。

食事が一通り終わっても皿には4個の生卵が鎮座しています。竹本君、その生卵をそおっと両のポケットに2個ずつ入れます。やっぱり!!

竹本君はそろりと歩く。問題ない。つつつと歩く。問題ない。そんな初期の成功にほころんだのか、竹本君はワッサワッサと大股で歩き始めます。問題ない。

ように見えたけど、食堂の出口にさしかかったところで、

「あわあ〜〜〜〜わ〜あああ〜、ぬ〜〜〜」

という竹本君の声が食堂内に響きます。

おお!やりよったか!見れば両のポケットがたるんと湿っている。さらに見やると卵の白身がジャージの荒い目を通り抜けてパウッと膨らみ出ている。外に侵入している。

吉原がその声に振り向いて股間をひたすらおさえる竹本君を見るなり「お、失禁か!」と喜ぶ。私は自分の洞察力と視界の広さで彼に優越感を感じていたのです。相良君は話に飽きてひたすらハムを食べています。

「あわあ〜〜〜〜」は殻の割れたその感触とひやりとした冷たさ。「わ〜あああ〜」は白身が流れ出て這うようにポケット内を蹂躙する感じ。「ぬ〜〜〜」は彼のふとももを流れ落ちる粘土の高い黄身によるものであろうことが容易に想像できたのです。