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避難生活を豊かにするものは、日々の生活を豊かにするものだよね

先月くらいだったか、テレビで避難所の生活に一役買う「ダンボール間仕切り」というものが紹介されていた。コストも低く、組み立てが簡単で、体育館1つなら数十分で全てをパーティションに区切れる優れものなのだそうだ。

ダンボールの高さは成人の胸の辺りまでではあるが、座れば一定のプライバシーが確保できるとのこと。これで、避難者のプライバシーを守り、ストレスを軽減することができるらしい。

実際に体育館に組み立てられたダンボール間仕切りを俯瞰的に写した映像を見ると、等間隔に区切られたパーティションが無機的な様相を呈しており、便利、プライバシー云々以前に、なんだか壮観だった。被災の生々しさをこれによって幾分軽減することが出来るかもしれないなあ、なんて思ったり。

と、まあそんな穿った見方をしていたら、なんだか違う方向から自分の欲望がつつかれてきた。やばい、これ自分の部屋にほしい。自分の部屋をこんな感じでいくつにも区切れたらものすごく楽しいんじゃないか。

まあ、我が家は六畳間のワンルームだからあまり贅沢は言えないが、なんとか4部屋くらいには分割できるとして。それぞれの部屋にいろんな用途を作りたい。壁はどうせダンボールだから色を塗ったり、穴を開けたりといろんな無茶をしても問題ないはずだ。夢は広がる。

ベッドのある寝室は壁全面にふかふかのファーを貼り付ける。狭い部屋でふかふかのファーにつつまれればなんとなく幸福な気持ちで眠りにつけそうだし、寝返りで頭を打ちがちな私も安心である。

キッチンは全面アルミ製の天ぷらガードを貼る。これでどんなに暴れながら天ぷらを作っても壁は油をはじいて安心だ。その代わり、床は油まみれとなるが、そこは間仕切りで仕切られている部屋。被害は最小限に食い止めることが出来る。床に1cmの油の層ができようが、他の部屋には影響はないのである。なんという便利さ。

居間にはオーディオを配置し、何百枚とあるCDを野放図に散らかす。CD風呂を作る。ふと手に触れたものを好き放題にかける。今まではCD棚の奥底に眠っていた市井沙耶香 in CUBIC CROSSとの数年ぶりの再開とかが自然と起きるわけである。素敵だ。


そして、最後の部屋は自慰部屋とする。ダンボールの4面に拡大した写真を貼り付け、渋谷のスクランブル交差点の中央からの視線360度を完全に再現する。床はちゃんと横断歩道のシマシマを再現する。さらに、写真の中には、交差点の中央に冷たい視線を寄せている若者を配置する。

その真ん中でエロ本を静かに開き、自慰にふける。なんという居心地の悪さ、そして気持ちよさ。この雰囲気に興奮し、自慰の時間も短時間ですむために、忙しいビジネスマンとしての私のタイムマネジメントに一役を買うのである。

欲しい。間仕切り。