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物語(仮) その8

姿がおかしい人に会った。

顔色は悪いし猫背。肩を落としてトボトボ歩いているかと思ったら突然両手を地面につけ、地を慈しむようにのそりのそりと歩く。その背中には妙なでっぱりがあったりする。

四つんばいになってのそりのそりと歩く彼の後ろからテレビの音声が聞こえる。

「ウミガメレイプが問題」

どうも、ウミガメをレイプするのがはやっているらしい。執拗にアップにされるあのウミガメのタマゴ生むところ。ちょっと出っ張ってて穴が開いててうねうねしているやつ。ヌメヌメとしていて妙にいやらしい。

私もなんとなくムラムラするんだけども、そのでっぱりの彼はテレビのチャンネルを変えようとする。あ、っと気づいたが、彼はウミガメと人間のあいの子だ。そうだそうだ。背中の出っ張りは甲羅じゃないのか。

彼にそう指摘すると「違う違う」といいながら首を高速で出し入れし始める。いや絶対そうだって。母ちゃんウミガメかー。ケタケタ。