<< warterproof | main | 補足 >>

物欲日記

社会人になり、しばらくたった。フーテンまがいのことをやっていたころからは考えられないのだが、「お金が余る」という現象が起こってきた。そうなると、音関連しか投資したいものがないわけでして。

SHUREというメーカーのE4Cという高級インナーイヤーヘッドホン。再現性の高い(音マニアの言葉の受け売りだ)音質と完成されたデザインで評価の高い逸品である。視聴すると確かに頼もしい存在感だ。耳へのフィット感も素晴らしい。物欲がうずいて思わず購入してしまった。2万円台後半。

この商品、こちらに書かれてあって知ったのだけど、ブリスターパックという包装形式で非常にパッケージが開け辛いらしい。とはいってもまあ頑張ればなんとかなるだろう、と楽観的な予測をして都内の家電量販店で購入した。イヤホンだからもちろん帰りがけに自分のポータブルオーディオに接続して聞きたい。当然の欲求だ。ワキワキしながらトイレに持って入る。

上部のここから開けてね!という感じのところを持って左右に開いてみる。開かない。パッケージの前部と後部を綴じている糊付け部分を中心に責めてみる。開かない。再度上部のここから開けてね!という感じのところを前後に強引にずらしてみる。パキリと音を立てて取っ手みたいなところが割れた。

タマネギを剥き続ける猿の気持ちというのはこういうものだろうか。いや、まだ中身が見えるだけに希望があるのだろうか。それとも中身が見えるだけに猿以上に絶望的なのだろうか。

ガックリとうなだれてトイレを後にする。バキバキになったパッケージがカバンから覗く。ボロいヘッドフォンで聞くあがた森魚はいつも以上に音が震えていた。

家に帰ってもハサミやカッターなどの事態を好転させるアイテムはそろっていなかった。仕方ないので中華包丁でバツン、バツン、バツン、バツンと4辺を切り取った。まな板に痕がつくほどに強く、強く。

#

音楽はいつもノートPCで聴くので、PCの音を良くしたいと思っていた。ヘッドフォンジャックからアンプにつなぐという形式にはさすがに限界を感じていた。

そこで、RolandのUA-4FXというUSB音源ユニットを買った。出す音、入れる音の音質が飛躍的に向上するらしい。音質の向上だけでなく、真空管アンプシミュレータなど様々なエフェクトが用意されている。ホウホウ。物欲がうずいて思わず購入してしまった。1万円台後半。

つないでみて分かったが、この機械、相当マシンパワーを要求される。現状のPCで普通にこの音源から音を出すとブジブジとしたノイズばかり出てくる。OSのいろんなエフェクトを消してなんとか聞ける音になった。でも、何か他に作業をすると音が信じられないほど悪くなり、ブジブジとしたノイズが入る。

どうにかできないかと試行錯誤してみると、「ノイズカット」という機能があることに気付いた。よし、これに賭けてみよう。

ノイズカットを入れるとさらにマシンパワーを要求されてブジブジが激しくなった。