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僕らは毎日飲み屋で大量に消費されるホッケという魚の本当の形を知らない。

行きつけの水タバコの店(といっても水タバコの店なんて都内でその店くらいしか知らないけど)に行ったら、商品棚に「ゴルメ・サブジ」という缶詰があった。

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よくわからない。商品写真はどう見ても毒の沼地にしか見えない。贔屓目に見ても「毒の」が取れるくらいで、やっぱ沼だ。材料の表記を見ても「meat」としか書いていない。meatって何肉だ。
店の説明書きには「イラン人はみんな大好き!」とシンプルながら力強いメッセージが書いてある。イラン人、沼が好きなのか。なんなんだ。ゴルメ・サブジ。深まる謎。

一緒に行った友人と相談した結果、以下のようなものであろうと推測した。

ゴルメ・サブジはたぶん生き物である。そして強い。普段は地中に埋まっていて、たまに畑から「ゴルメー!」という奇怪な鳴き声をあげながら顔を出す。その顔は非常に不気味で、幾分高橋尚子に似ているが、らんらんと目が輝いている。手には鋭い鉤爪がついていて、尾びれから毒汁を出す。

羊飼いの少年がいっつも「ゴルメ・サブジがくるぞー!」とウソをついていたから、本当にゴルメ・サブジが来たときに誰も信じてくれなくて村は全滅するのだ。

すごい。ゴルメ・サブジ。そんなのを食材にしてしまうイラン人もすごい。

毒汁出す生き物なんて食べられないけど、畏敬の念を込めて買ってしまいました。食べる気はない。