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俺も、神様の愛い奴だ。

近所の激安スーパーではビニール袋を出さない。「環境に配慮して」とのことだが、張り紙にはこう書いてある。

「当店は環境に配慮して、ビニール袋をお出ししておりません。袋をご持参いただくか、備え付けのダンボールをお使いください。」

下を見るとダンボールが山になっている。「永谷園お茶漬けの素」とか「極小粒納豆」といったロゴの描かれたダンボール。大きなダンボールを持って帰って捨てるのと、ビニール袋を持って帰って捨てるのはどっちが環境に優しいのだろうか。

いや。ビニール袋を出さないのはコスト削減のためであって、環境に配慮するためのものではないことは最初から分かってはいる。分かってはいるが、この強制された、釈然としない礼儀。礼儀を尽くしたと思う自分以外の誰のためになるとも分からないその行動を見ていると、ちんこがギュイッとなる。

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ところで、会社では日々礼儀を教えられている。客先での折衝、同じ事業部の人たちとの交渉。努力をしながらなんとかついていっている。

しかし、その会社に傘を持っていくとほぼ確実に無くなる。

毎日ボケボケしているからどこかに置き忘れる、というわけではない。ちゃんと会社の傘置きに置いておくと取られるのである。

300円のビニール傘はまず確実になくなる。ドバッと心地よい音を立てて開くお気に入りの1000円傘も取られた。今までで既に6本はなくした。取られたんだったら他の人の傘を持って帰れとも言われるが、私はいい子だから誰かの悲しむ顔なんて見たくない。やむなく雨の中を傘なしで走る。走りながら、雨でずぶぬれになった捨て猫を抱き上げるヤンキーの表情になる。

そんなすさんだ暮らしを送っていたら。

先日何の気なしに傘立てを見ると確かになくなったはずの私の1000円傘が傘立てにあるではないか。一応返しておいたよ、とでも言うのだろうか。

なんだこの釈然としない感じ。自分以外の誰のためになるとも分からない礼儀。ギュイッとなるちんこを頑張っておさえる。