みやげ話
以前、とある方が我が家に来たときの話。
楽しく談笑し、そのまま一晩泊まっていかれたのだが、翌朝とても恐縮されて「泊めていただいてなんだかすみませんねえ。」とカバンをごそごそ。ようやく何かを探り当てると、私に「こんなものでよければ」と差し出してくださった。
手には5枚のステッカー。
私の部屋はポスターの1枚も無い殺風景な部屋だから、そこに気を使ってくださったのだ、と不覚にもちょっと感動してしまう。
「おお!こんなものをいただけるのですか!」とその感動を伝えると「いやあ、つまらないものなんですけどねえ」とご謙遜をされるその方。心遣いがうれしくて早速棚に張ろうとする私。
と、ステッカーを台紙からはがそうとするその手がバッとつかまれた。
「ちょっと待ってください!」
ものすごい勢いで止められる。私はキョトンとするが、続けてその方はまくし立てた。
「そんなものを張っちゃダメですよ!棚がもったいないです!」
「どうしてですか!せっかく頂いたのに!」
「もっさいじゃないですか!それ!」
謙虚さをここまで全うされる方は初めて見ましたが、そのもっさいステッカーは今でも引き出しの中で役割を全うできずに眠っております。
楽しく談笑し、そのまま一晩泊まっていかれたのだが、翌朝とても恐縮されて「泊めていただいてなんだかすみませんねえ。」とカバンをごそごそ。ようやく何かを探り当てると、私に「こんなものでよければ」と差し出してくださった。
手には5枚のステッカー。
私の部屋はポスターの1枚も無い殺風景な部屋だから、そこに気を使ってくださったのだ、と不覚にもちょっと感動してしまう。
「おお!こんなものをいただけるのですか!」とその感動を伝えると「いやあ、つまらないものなんですけどねえ」とご謙遜をされるその方。心遣いがうれしくて早速棚に張ろうとする私。
と、ステッカーを台紙からはがそうとするその手がバッとつかまれた。
「ちょっと待ってください!」
ものすごい勢いで止められる。私はキョトンとするが、続けてその方はまくし立てた。
「そんなものを張っちゃダメですよ!棚がもったいないです!」
「どうしてですか!せっかく頂いたのに!」
「もっさいじゃないですか!それ!」
謙虚さをここまで全うされる方は初めて見ましたが、そのもっさいステッカーは今でも引き出しの中で役割を全うできずに眠っております。