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酒の効用

友人が泊まりに来た。

5時までベロベロになりながら酒を飲んだ後、ウチに泊まったほうが便利ということで我が家にやってきたのだ。数ヶ月ぶりに会ったし彼が我が家に来るのは数度目。酔いながらもなんとなく緊張して迎える。

我が家に迎え入れるとその惨状は明らかになってくる。
捨てていないゴミ。散らかった部屋。極めつけはコタツだ。

昨春に邪魔だからとコタツ布団を捨ててしまったものの、今冬の寒さに耐え切れず出したコタツ。布団はベッドから掛け布団を下ろし、それを乗せただけである。縦の長さは申し分ないものの、横の長さが非常に心もとない。このため、スースーする。ついでに敷き布団もないため、フローリングに直座りで「ひゃっ、ちべたい!」となるわけである。

そして掛け布団を失ったベッドは物置と化しているため、こちらで寝ることもできない。

自らのズボラさにあきれ返りながらも彼にコタツもどきに座ってもらう。

「寝るときはこの枕を使ってね」

どんどん申し訳なさが立ってきて必死でもてなそうとする。しかし、酔いはひどく、ここから失敗の傷口が広がる。

  • もう眠そうな彼に自らの「空耳アワーセレクション」を見せる。「居間、定年オナニーだって!あははは!」と静かな時間が流れる。

  • コタツの上に耳かきを見つけた私は「耳かき・・・する?」

  • テーブル脇においてあった昆布ポン酢を見つけた私。「昆布ポン酢飲む?」。強引に薦めたため飲む彼。ブッと吹く。
    ちなみにこれは嫌がらせでもなんでもなく、昆布ポン酢は飲むとものすごくうまい。うまみとしょっぱさがあふれており、さらに酢っぱさによって全体が引き締まっている。極上の酒のつまみとして機能するのである。私は日常的に飲んでいる。(なお、普通のポン酢を飲むようなやつは人間ではないと思っている)

  • 「そろそろ電気消そっか?」と言って蛍光灯のヒモに手をかけたらカバーが落下して私の頭を直撃。



そうこうしているうちにいつの間にか彼は寝てしまった。なんとなくそのときは充実しているから「俺・・・がんばった・・・」などと思っていたものの、私が起きたときには彼はすでにいなくなっていた。