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毛隠し

雑誌を読んでいたら「パラオ」という国の名前が目に留まった。ダイビングやアントニオ猪木の所有する猪木島があることなどで有名な島国だ。

当然南国ということで、ハワイやグアムなどと同様に明るいイメージを持っていて当然のはずだが、今回、私がこの「パラオ」という言葉を目に留めたときは、それとは全く関係のない言葉ばかりが頭に浮かんだ。

やれ「残念」だとか「無念」だとか「不毛」だの「隠匿」といった、南国の島国とは思えない言葉たちである。

すわ、これはやはり日本帝国による委任統治時代の暗い歴史が頭を覆ってそんな言葉が出てくるのかなどと自分の頭を探ってみたが、どうも違う。そういった戦争のようなどんよりした暗闇ではなく、ひらひらと目隠しされているような、そんな鬱陶しくちらつく暗さである。

タバコの1本を吸い終わるまで2〜3分ほどじっと考えてみたところ、どうやら「パラオ」という言葉のイメージが「パレオ」と混ざっているらしいことが判明した。

まあ、確かに言ってみれば、あの隠し方は「不毛」ではある。