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「花も恥らう」考

えー、まあ言葉の勘違いというのはよくある話ですが、何回やっても恥ずかしいもんですなあ。

先日なんぞは街中ですれ違った可憐な少女を見て、「おっ、花も恥らう乙女だね」なんていう言葉が口をついて出てきたんですが、ふと考えてみると、言った自分はその「花も恥らう」の正確な意味を知らない。

で、せっかくなんでね、一緒にいた友人と「花も恥らうってどういうことだろうねえ?」なんて考察をはじめてみたんですが。まあ、どうでもいいことと言えばどうでもいいんですが、こうなるともう後には引けんということでございまして。

で、私は結局こんな結論に達しました。

花も恥らうというと、清純かつ可憐。おしとやかで控えめなんていうイメージがございます。そこから花、恥らうと考えをめぐらせてみると、やはりこういうことになります。

あるうららかな春の日、乙女が野原の道をうんた、うんたと歩いている。と、
路傍にのびやかに花びらを広げて花が咲いている。乙女はその花を見て愛でると思いきや、

「ハッ!めしべ!」

赤らんだ顔を両手で隠します。顔にかぶさった手の血管ですら、バクバクと強く脈打っていることが分かるほどにドギマギとしております。そして、ようやくその動悸がおさまったってんで、気を取り直して他方を見ようとすると、そこにも満開の花が。

「フォッ!おしべっ!」

と先ほどを上回る興奮。その場でそのまま何度かジャンプをした後、走って家に帰り、いまだに居間に置いてあるこたつに電源も入れないままもぐったということです。



とかまあ、そういう感じで花を見ただけで恥ずかしがってしまうくらい、年頃の敏感な乙女ということなんでないかと。まあそう思ったわけでございます。私、かなりこの考察には自信がございました。一緒にいた友人などは、考えることすら放棄し、「ハーナ・モハージラウ」というアラブ人がいたのだ、などとバカなことを言い始めますから、私の自信は加速いたします。

「おしべっ、めしべっ」と即席の交配の歌を歌いながら帰宅し、インターネットで検索しますと、回答はすぐ出てまいりました。「花が恥ずかしくて頭をたれるほど美しい様子」とのことです。主語が違っておりました。

まあ、恥ずかしくて頭をたれたのは交配の歌を歌った私であったということで。