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泣きながら「つげ義春!」と叫ぶ

HOW LOW キティ

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つげ義春は、文章もとてもいい。
どうしようもない鄙びた温泉、路地、哀れな旅の行程を淡々と、しかも唐突に描くその筆致は、そのような状況に同化しようとする、この人なりのふまじめな誠意が見て取れて実に気持ちがいい。

旅行エッセイ本である「貧困旅行記」はそのような紀行がいやというほど書かれている名著だ。この本は何度も読んでいるが、いつ読んでも侘しさがくすぐったいという、実に独特の気分になってしまう。

特にその気持ちを増幅させ、「あ〜あ」とか「そうだよねぇ」とか「いや、そうか?」と様々な感情が渦巻くものの、口から出てくるのはそういった感嘆詞だけになってしまう、という(長い形容だが・・・)1ページがある。それがこれだ。



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「住んでみたいと思った塩川鉱泉奥の無人の堂」


この写真とこの一文だけで、なんだか彼の全てが表されてしまっているような、そうでもなく、ものすごくはぐらかされているような、何がなんだか分からない気持ちになってしまう。あー、としか声が出ない。

そういった漠とした感情は浸るだけでも気持ちの良いものだが、最近は次第に「一度でいいからこういったキャプションを書いてみたい」という良くない欲望も生み出して来たりした。

そういうわけで本日はその欲望を押し売りしたいと思います。とどけ!私の思い!



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得体が知れなくて怖気をふるった犬の遊び道具





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見ただけで食欲を無くした芝2丁目のから揚げ弁当





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その突端につらぬかれてみたいと思った南砂のY字路





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何がなんだかよく分からなかったのでそのまま通り過ぎた森下の立ち食いそば屋。




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人にあげたものの、本当は自分のものにしたかったフィンランドみやげ






分かってはいたが、私には無理だ。

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