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自家製音姫

様々に自分仕様にカスタマイズしてきた我家の最大の弱点として、ダイニングにトイレがくっついているということが挙げられる。ダイニングで飯を食い、酒を飲んでいるすぐ横のトイレに入るというのはなかなか抵抗感が強いものだ。

この問題への対処として、食器棚で間仕切りを作った。トイレの前に食器棚を置くことにより、うまくトイレ前の空間が個別の通路のようになり、人の目の前でトイレに入るという恥辱事態を回避することができた。これは大きな安堵感を居住者、および客にもたらした。

しかしまだ問題は残っている。音だ。棚があるとはいえ、結局音をさえぎるのはトイレの扉一枚のみ。どうしても賑やかなアナルシャウトが聞こえてしまう。これはさすがの存在感を放つ棚でも綺麗に音を通してしまうのだ。

そういうわけで考えた。さえぎるものをこれ以上に増やすことはできないなら、音が出るものは仕方ない。さらなる音を出せばよいのだと。そう、音姫を設置すればよいのだ。

とはいってもチョロチョロという一辺倒の音しか出せない音姫では、私のオリジナル心を満たすことはできない。その音姫という概念はTOTOさんのものだとしても、それを土台に自分のオリジナリティを出したい。人間ってそういうもんじゃないか?

便所にボタンが3つ着いた端末を置く。端末には大、小、不明のボタンがある。

詰まっていて大きな音が出そうな場合は大ボタンを押すといい。軽快なディキシーソングが、その縦ノリリズムとともにあなたの排便をうながしながらも周囲へのカモフラージュをするだろう。

いつもの小水をする場合は小ボタンを押せばいい。陰鬱に奏でられるブルースがあなたの小水の勢いを止め、そのギターの音色とともに周囲への配慮を必要なくさせるだろう。

どっちが出るか分からないままとりあえず便器に座る方は不明ボタンを押す。毎回、あなたの健やかな排便を促す「イルカに乗った少年」がかかる。安心して下腹部に力を入れるといい。チュルンとしたイルカのイメージが大便をうながし、噴気孔から激しく噴出される液体のイメージが、小水の出力ボルテージを上げることだろう。

と、ここまで考えてみたが、結局便をしていることを音により誇示していることに変わりないため、何の意味もないことに気づいた。

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じゃあ、これはどうか。トイレの中のスイッチをポチと押すと、食卓に「排便中」と書かれたライトがぼんやりと光る。これを見た人は自然とダイニングを後にするのだ。

なんだか、こっちのほうがいい案のように思えてきた。実行するか。