ポーマン
「さ、今日は『茄子とピーマンとポーマンのさっぱり包み』の作り方を勉強しましょう。茄子とピーマンは分かりますが、ポーマンってなんでしょうか。楽しみですねー。さ、料理研究家、山野川武俊先生にいらしていただきましょう。」
ここで静かな拍手とともに、山野川先生が登場します。先生、深いお辞儀をすると一つ咳払い。滔々としゃべり始めます。
「えー、お料理にはパピプペポが必要です」
「・・・パピプペポですか?さしすせそではなく。」
「ええ。パピプペポです。どんな料理でも、このパピプペポの順番通りにやっていかないとなかなかおいしい料理はできないんですよ。」
「パピプペポ。・・・なんだかはじけて明るい感じですね。では早速お教えいただきたいと思います。」
「あいわかりました。まず、パ。これはパッションですね」
「なるほど、料理には情熱が必要、と。」
「ええ、そうです。こんな感じでパッションを燃やします。ヌゥオォォォーーーー!!」
「先生!パッションというよりどちらかというとコスモが燃えています。」
「そうでしょうそうでしょう。コスモついでにPASMOも燃やします。」
「デポジット料金がもったいないですね。」
「ええ。そういうデポジットも顧みないパッションを大事にしてください。」
「分かりました。」
「そして、ピ。これはピーマンです。」
「いきなり具体的な食材が出てきましたね。さしすせそのような汎用的なものから程遠くなったような気がしますが。」
「いえ、ピーマンは重要です。準備はいいですか?じゃあ、このピーマンを、見てください。」
「ハイ。」
「次、プです。」
「ちょっと待ってください。先生、ピーマンは見るだけですか?」
「物足りませんか?」
「いや、物足りるも何も、見るだけでは何も料理に影響がないと思うのですが。」
「じゃあ、舐めてください」
「分かりました。」
「次、プはプーマンです。」
「このモクモクした毛むくじゃらの物体がプーマンですか?なにやら常に肛門らしきところから黄褐色の液体を出していますが・・・」
「はい。このプーマンをこうまさぐっているとですね、毛と毛の間に歯が5本ほど生えていますから、そこに手を差し込んで持ち上げます。そうするとこのように肛門が丸見えなんですねー。さて、その肛門から息を吹き込みます」
「アッ!膨らんでる!」
「でしょう。膨らませると、この耳の裏側の切れ目が持ち上がってきて中の肉がよく見えます。」
「本当だ。赤々として気持ちわるいですねー。」
「そうですよね。ズズッ。」
「ちょっと!先生!肛門の汁を飲まないでください。」
「え、おいしいですよ?さて、次はペです。」
「ちょっと待ってください先生!プーマンは膨らますだけですか?」
「物足りませんか?」
「いや、そういうわけでは・・・」
「じゃあ、舐めてください。」
「分かりました。」
「いい舐めっぷりですね。では、ペですが、ペは割愛します。」
「ハイ。じゃあ・・・いや、あの、料理のパピプペポは守らないとおいしくならないのではなかったですか?教えてくださいよ、先生。」
「ああ、じゃあ、ペはペーマンでいいです。」
「じゃあってなんですか。」
「ペーマンがいいです。」
「主張されても困ります。そもそもペーマンって何ですか。」
「心意気です。愛と言っても過言ではない。」
「あー、もういいです。料理にはパッションとピーマンとプーマンとペーマンが必要なんですね。じゃあ最後のポは何なんでしょうか。」
「そりゃあもちろん、ポーマンです。」
「ようやく本日の真打が登場したような気がしますね。この本日の食材となっているポーマンとは何なんでしょうか。」
「何を言ってるんですか。ポーマンなんて食材、存在しませんよ。」
「ハ、今日は『茄子とピーマンとポーマンのさっぱり包み』ではないのですか?」
「もちろんですよ。」
「じゃあ、なぜ今、そのポーマンが存在しないと!」
「料理のパピプペポの最後のポ、その教えはすなわち『ポーマンなど存在しない』ということです。」
「じゃあ、『茄子とピーマンとポーマンのさっぱり包み』はつまるところ『茄子とピーマンのさっぱり包み』ということなのですね?」
「その通り。料理のパピプペポが分かれば、すなわち『茄子とピーマンとポーマンのさっぱり包み』は『茄子とピーマンのさっぱり包み』であることが見透かせるということです。」
「すごい・・・ことなんでしょうか?それは」
「すごいことですよ。『茄子とピーマンとポーマンのさっぱり包み』と聞くと普通の人は、『ポーマンって何なんだろう』と思ってしまうでしょう。その手間が省けるのですよ。」
「あ、ありがとうございます・・・では早速調理に入っていただきたいと・・・アッ!巨大化したプーマンが先生を!」
「ギャアア」
最後にプーマンは一言。「おいしい」
暗転。
ここで静かな拍手とともに、山野川先生が登場します。先生、深いお辞儀をすると一つ咳払い。滔々としゃべり始めます。
「えー、お料理にはパピプペポが必要です」
「・・・パピプペポですか?さしすせそではなく。」
「ええ。パピプペポです。どんな料理でも、このパピプペポの順番通りにやっていかないとなかなかおいしい料理はできないんですよ。」
「パピプペポ。・・・なんだかはじけて明るい感じですね。では早速お教えいただきたいと思います。」
「あいわかりました。まず、パ。これはパッションですね」
「なるほど、料理には情熱が必要、と。」
「ええ、そうです。こんな感じでパッションを燃やします。ヌゥオォォォーーーー!!」
「先生!パッションというよりどちらかというとコスモが燃えています。」
「そうでしょうそうでしょう。コスモついでにPASMOも燃やします。」
「デポジット料金がもったいないですね。」
「ええ。そういうデポジットも顧みないパッションを大事にしてください。」
「分かりました。」
「そして、ピ。これはピーマンです。」
「いきなり具体的な食材が出てきましたね。さしすせそのような汎用的なものから程遠くなったような気がしますが。」
「いえ、ピーマンは重要です。準備はいいですか?じゃあ、このピーマンを、見てください。」
「ハイ。」
「次、プです。」
「ちょっと待ってください。先生、ピーマンは見るだけですか?」
「物足りませんか?」
「いや、物足りるも何も、見るだけでは何も料理に影響がないと思うのですが。」
「じゃあ、舐めてください」
「分かりました。」
「次、プはプーマンです。」
「このモクモクした毛むくじゃらの物体がプーマンですか?なにやら常に肛門らしきところから黄褐色の液体を出していますが・・・」
「はい。このプーマンをこうまさぐっているとですね、毛と毛の間に歯が5本ほど生えていますから、そこに手を差し込んで持ち上げます。そうするとこのように肛門が丸見えなんですねー。さて、その肛門から息を吹き込みます」
「アッ!膨らんでる!」
「でしょう。膨らませると、この耳の裏側の切れ目が持ち上がってきて中の肉がよく見えます。」
「本当だ。赤々として気持ちわるいですねー。」
「そうですよね。ズズッ。」
「ちょっと!先生!肛門の汁を飲まないでください。」
「え、おいしいですよ?さて、次はペです。」
「ちょっと待ってください先生!プーマンは膨らますだけですか?」
「物足りませんか?」
「いや、そういうわけでは・・・」
「じゃあ、舐めてください。」
「分かりました。」
「いい舐めっぷりですね。では、ペですが、ペは割愛します。」
「ハイ。じゃあ・・・いや、あの、料理のパピプペポは守らないとおいしくならないのではなかったですか?教えてくださいよ、先生。」
「ああ、じゃあ、ペはペーマンでいいです。」
「じゃあってなんですか。」
「ペーマンがいいです。」
「主張されても困ります。そもそもペーマンって何ですか。」
「心意気です。愛と言っても過言ではない。」
「あー、もういいです。料理にはパッションとピーマンとプーマンとペーマンが必要なんですね。じゃあ最後のポは何なんでしょうか。」
「そりゃあもちろん、ポーマンです。」
「ようやく本日の真打が登場したような気がしますね。この本日の食材となっているポーマンとは何なんでしょうか。」
「何を言ってるんですか。ポーマンなんて食材、存在しませんよ。」
「ハ、今日は『茄子とピーマンとポーマンのさっぱり包み』ではないのですか?」
「もちろんですよ。」
「じゃあ、なぜ今、そのポーマンが存在しないと!」
「料理のパピプペポの最後のポ、その教えはすなわち『ポーマンなど存在しない』ということです。」
「じゃあ、『茄子とピーマンとポーマンのさっぱり包み』はつまるところ『茄子とピーマンのさっぱり包み』ということなのですね?」
「その通り。料理のパピプペポが分かれば、すなわち『茄子とピーマンとポーマンのさっぱり包み』は『茄子とピーマンのさっぱり包み』であることが見透かせるということです。」
「すごい・・・ことなんでしょうか?それは」
「すごいことですよ。『茄子とピーマンとポーマンのさっぱり包み』と聞くと普通の人は、『ポーマンって何なんだろう』と思ってしまうでしょう。その手間が省けるのですよ。」
「あ、ありがとうございます・・・では早速調理に入っていただきたいと・・・アッ!巨大化したプーマンが先生を!」
「ギャアア」
最後にプーマンは一言。「おいしい」
暗転。