物語(仮) その6
どうも自分の背中がどんどん巨大になっていってるようだ。
夜中になると、ぐずんず、ぐずんずという音をたてて膨張する。居間であぐらをかいていると、背中のうしろの暗がりに向け、わがもの顔で大きくなる。ぐずんず、ぐずんずの音でよく分かる。
今ではどのくらいの大きさになったのだろう。背中なんだから当然私の目には見えない。月の大きさになったか。そんなんじゃ恥ずかしい腫れ物付きと笑われてしまう。せめて皮張り太鼓程度のものであって欲しいものだ。
ただ、今ふと気付いたが、背中に大きさなんてあったか。馬鹿な妄想はやめたまえ。そう言っているそばから背中の方向からばりいんと花瓶の割れる音がした。
夜中になると、ぐずんず、ぐずんずという音をたてて膨張する。居間であぐらをかいていると、背中のうしろの暗がりに向け、わがもの顔で大きくなる。ぐずんず、ぐずんずの音でよく分かる。
今ではどのくらいの大きさになったのだろう。背中なんだから当然私の目には見えない。月の大きさになったか。そんなんじゃ恥ずかしい腫れ物付きと笑われてしまう。せめて皮張り太鼓程度のものであって欲しいものだ。
ただ、今ふと気付いたが、背中に大きさなんてあったか。馬鹿な妄想はやめたまえ。そう言っているそばから背中の方向からばりいんと花瓶の割れる音がした。