<< 物語(仮) その4 | main | 今日の鈴木 >>

物語(仮) その5

冷蔵庫の緩んだねじを締め上げると、それは腕時計に付いているような竜頭になり、そこで冷気の出とカルシウム感を調節できるのだ、と彼は言ったものの、私にはそれを実行する気はさらさらなかった。

お前は冷蔵庫がどうやって動くかは知っているか?と彼に問われたものの、何と答えたものか考えあぐねていると、私の目の前にある冷蔵庫はまるで天井に重力があるみたいに飛び上がり、ぐちゃりとつぶれた。

私はあまり血はみたくないのだよな、と思ったのだけど。