<< ボール犬ミッキーの受難 | main | 物語(仮) その2 >>

物語(仮) その1 

ある夜、扉を開けると私の眼窩のすぐ近くに粉っぽい黄色の光が浮かび、それがするり、するりと形をなしていった。

眼前に出来上がったのはひとつの冷蔵庫だった。冷蔵庫は見る見る間に丸く太り、醜い女性然とした肉の塊となったので、私はその冷蔵庫の手を取り、蹴飛ばして扉の外へと追い出した。冷蔵庫は憮然とした表情で僕をみると、パチンと指を鳴らした。そこで扉は閉まりあたりは真っ暗闇に覆われた。