ここ2年間、休みには自転車を駆って東京の東側を散歩しに行きます。気になるところがあったら写真を撮って後で眺めてはニヤニヤするということを繰り返しています。

何にここまで惹かれているのか。正直なところそういったことを考えることは意識的に避けて来ているところはありますが、まあ、このよさを伝えるには何らかの言葉に残さないといけないわけで、そう考えて無理をして絞りだすと、「人の痕跡」がものすごくあからさまに出ているところなんではないかという結論にたどり着きました。

下町人情だとか、そこに住む人は失礼ながらほとんど興味はございません。街並みから一歩引いた形で表れてくる痕跡が、ほどよい距離感となまあたたかさを持っていて、それが心地よいのです。

というわけで前口上はそんなところで、昨日はもう何度目かわからないんですが、京島〜東向島〜立石あたりに行ってきたので、ちょっとだけ紹介しようと思います。京島、玉ノ井付近は個人的に最も歯ごたえのある風景が広がっています。よろしくお願いいたします。

何があってこんなことになったのか。真ん中の茶色い建物が痛恨の顔をしているように見えます。

京島〜東向島あたりは道をまっすぐ作るという概念がありません。家々の隙間をぬうような道それ自体が痕跡になっています。

倒置法。

ぴっちり。几帳面な人柄がうかがえる。

壁にもともとあった階段の痕跡。

少し寄ってみると、扉に「いなかった人」の痕跡が見える。

昼をこう、さえぎっている感じ。ああFUZEIで恥ずかしい。

これはいろいろ考え抜いてこう並べてるんじゃないか。とそう思う。

やっぱりうねっている。

生活に合わせて変態していくのだなあ。色ぐらい揃えればいいのに。

「も」が勢いありすぎ。

自転車にほんのり光が。

この煙突から銭湯のはずなんですが、ぐるっと回っても入るところがありませんでした。


というわけで以上でございます。
観光地もいいものですが、東京にお越しの際はぜひ東側をずるずると歩いてみてください。