前回記事で取り上げましたが、渋谷の喜楽休業のお知らせに少なからぬショックを受けている方、多いかと思います。
本日(5/29)現在、あくまで休業とのことなので、そこまで心配するに及ばず、ですが、あれがしばらく食べられないと思うとボディーブローのようにきいてくるものがあります。
しかし、ないものは仕方ない。その寂しさをごまかすために今できることを楽しみましょう。そういうわけで、個人的に「喜楽と近い楽しみ方をできる」と感じているラーメン店をご紹介します。
喜楽に由来するお店もございますが、「ラーメンともやしそばとタンメンの時代」のうまいラーメン、という観点で絞りました。まあいろいろご意見もありましょうが、そこはなんとかご高配を賜わりますようお願い申し上げます。(というか、俺は私はここだ!というコメントがあると嬉しいです)
永楽(大井町)
大井町にある「野垂れ死にたい路地」No.1こと東小路のまっただ中にあります。喜楽と同じように揚げネギを使っているということで、郷ひろみの話題になったら我修院達也が出るくらいのレベルでこの店の名前は出てきます。
こちらの揚げネギは喜楽に比べて黒いです。それが見た目をとても素敵にヒドイものにしています。あと、平打の麺がたいそうベロンベロンで、食べているとなんだかグチャグチャになります。それが猛烈に美味しいのです。喜楽とは見た目と揚げネギこそ似てはいますが、全く別物です。
個人的なオススメはもやしそばです。揚げネギで真っ黒になったスープにどろりとしたもやしのあんかけが乗るその姿は「暗い宇宙に浮かぶ謎のあんかけ星雲」という印象です。野菜炒め感のある喜楽の「もやし麺」とは違って、いわゆるサンマーメンに近いですが、ベロンベロンの麺にデロンデロンのあんかけがまざってそれはそれはもう大変です。オススメです。
かおたんラーメン(青山霊園の南端)
ここはまさに喜楽で働いていた方が作ったお店だそうで、たぶん今回紹介する中では最も味が近いと思います。スープの味はハッキリと強いため、私はもしかしたら、ラーメン単体としては喜楽より好きかもしれません。おいしいです。絹さやの緑も大変美しい。
ただ、それ以上にイイのはこの店のたたずまいです。まず、都心にあるにもかかわらず、どの駅からも歩いて10分以上はかかるという立地。いいですね。そして最寄りのバス停が「墓地下」という名前。ゾンビが出そうでいいです。
そして、さらにはこの外観。
いいですよねえ。そりゃあ入ります。見た目のワクワク感とラーメンの味が見事に合致する名店、と思います。
なお、同じ派生店で恵比寿ガーデンプレイスの近くに「香湯ラーメン ちょろり」もあります。そちらは喜楽やここの店より少し味が優しめでこれまた美味しいです。
はつね(西荻窪)
ここから紹介する店は揚げネギが入っていないので喜楽とは全く違いますが。
今やタンメンの店として有名で、大変な行列のお店です。どいつもこいつもタンメンばっか食べやがって(おいしいけど)全く注目されませんが、私はこちらのもやしそばが大変好きです。どなたかが「慎ましい」と表現しており、その通りかとも思いますが、それだけでなくとても強いです。それは味だけでなく、もやしと申し訳程度に添えられた人参の美しさによるものでしょう。
先代のとき、おばさんが窓に飾っていた小瓶に入った小さい花が大変印象的でしたが、あの花とこの人参の存在感が少しかぶるのです。ああ、なんかウザい感じの評価になっていますか。まあ、とにかくタンメンだけでなく、もやしそばを食べてみるべきと思います。
集来(大門)
今まで出た店より比較的知名度が低いですが、こちらのラーメンは個人的にものすごく好きです。
昼時になると近所で仕事するおっさんばかりで埋まり、店内はおっさん充実度が高いです。かわりに夕暮れ時になるとガラガラで、ほぼ独占状態になるのですが、薄暗い店内で食べるここのラーメンは得も言われぬうまさを感じます。
名物の手打ち麺はたいそう美味しいので必ず注文すべきですが(各30円アップ)、それ以上にここのスープを味わっていただきたいと思います。
ここのスープ、古い中華由来っぽいラーメン店では珍しい、煮干しの出汁が香りますが、これがいやらしくない必然性のある味なのですね。で、スープはものすごく量が多くて、食べている間、ずっとたゆんたゆんしています。永福町大勝軒に比較する方もいますが、それも分からなくもないです。
お店ではタンメンや五目そばなどの塩味メニューがよく出ていますが、私は普通のラーメンやサンマーメンなどの醤油味をおすすめします。たゆんたゆんとする贅沢なスープに麺を泳がせやがれ。
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というわけで、喜楽がなくなってもんどり打っている方はこちらにもチャレンジしてみてはいかがでしょうか?どうぞよろしくお願い申し上げます。
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