日本海側の蟹がよくとれるところ出身の妻は、「蟹が高級なものとは思わない」と言う。
なんで?と聞くと、「お父さんがキレイ好きで、」と始める。
「え?キレイ好きが何か関係あるの??」と混乱しながら聞くと、
「お父さんがキレイ好きで、でも蟹が好きで」と続く。まだ落着点が分からない。
「だから、食卓を汚したくないから、蟹を買ってきたら、いっつも流しに向かって食べていた」
と続く。なるほど、流しに向かって食べるメソッド。どんな高級なものでも見事に台無しにするメソッドだ。例えば想像してみてほしい。
- フカヒレの姿煮をTOTOシステムキッチンの流しで食べる福原愛
- 「うち、これ好きやねん」と言いながら、活きのいい明石のタコを、流しで手づかみで食べる藤原紀香
- 流しでアワビに無心にしゃぶりつく東幹久
うむ、高級ではない。(なお、人選はランダムであり、悪意はありません)そして、このメソッドは何かに使える。
それにしても。娘たち家族の視線を受けながら、流しで背中を屈めてワシワシと蟹を食う義父の背中を想像すると、非常に愛らしいもののように思えた。横で一緒にビールを飲みたい。
今度実家に帰るときは蟹と桃を買っていこう。断じていやがらせではない。