関西以西の方はご存知の人が多いかと思いますが、海苔の佃煮などで有名な「ブンセン」という会社があります。以前、当サイトで「ブンセン株式会社の佃煮の奇抜なネーミングを批評する」という記事を書いたことがありますが、まあ、びっくりするような商品ネーミングをする会社です。
例えばこのしょうゆは「ベロ」という名前です。1番売れているのりの佃煮は「アラ!」です。
こんな感じのブンセンさんですが、私もファンであるにも関わらずこの会社のことをちゃんと知りませんでした。ということで、ホームページを確認してブンセン株式会社 会社の歩みを覗いてみましたところ、商品名に続いて見事に体の力が抜けて崩れ落ちてしまいました。
大丈夫なのか。この会社。
いやいや、この名前こそがこの会社の原動力。とても興味深かったので、こちらで僭越ながら抜粋してご紹介したいと思います。
1934年 株式会社鳳(おおとり)商店設立
最初はちゃんとした会社名ですね。
1961年 社名を「ブンセンしょうゆ株式会社」と改称
醤油のブランドに寛永通宝の「文銭」を利用していたことから付けられたそうです。カタカナになるとなんだか印象が一気に変わりますが、リズムのあるいい名前ですよね。
1968年 家庭訪問販売子会社「コンチア株式会社」設立
いきなり来た。訪問販売だけに「コンチア」。「コンチワ」ではなく「コンチア」であるところにセンスを感じさせます。
「コンチア!コンチア株式会社です」
と言いながら訪問していたのでしょうか。是非我が家にも訪問に来てほしいですね。
「は?」と聞き返すこと請け合いです。
1970年 社名を「ブンセン株式会社」と改称
現在の社名ですね。しょうゆ以外の取り扱いも増えたので変更されたのでしょう。正常進化です。
1972年 進物部門子会社「株式会社 茶良さろん」設立
以前から販売していた進物セット「茶良」を中心に取り扱う会社だと思います。
名称は比較的まっとうな部類に見えますが、読み方は「さら」ではなく「ちゃら」なんですよね。
歌手のCHARAさんもこの進物から名前を取ったとか取っていないとか!
1977年 菓子部門子会社「株式会社 ベラボー島」設立。菓子製造を開始
「ベラボー」に「島」を続けるセンス。これはなかなか到達できない領域です。さらにはこれが会社名ですからね。これ以上何も言えませんね。
1978年 惣菜部門子会社「ネネー食品株式会社」設立。 惣菜製造開始
惣菜の会社のようです。きっと、ネネーっとしているからこの名前なのではないかと思います。
ネネーっとしているのがどういう状態なのかはわかりませんが、そうに違いないです。
1979年 米飯部門子会社「ニギー食品株式会社」設立。おにぎり製造開始
これは分かりやすいですね。おにぎりだからニギー。
おにぎりのニギーは若者の右手に同化して「シンイチ…『悪魔』というのを本で調べたが…一番それに近い生物は、やはり人間だと思うぞ。」という名台詞を言いそうですが、それは寄生獣のミギーですね。
1980年 日配惣菜部門子会社「ネネー食品株式会社」を「ワンデー食品株式会社」と改称
やはり「ネネー食品」はあまりにも攻めすぎていたのか、2年で改称です。
惣菜なので1日しか持たないゾ!というメッセージを込めた社名でしょうね。トゥーデイズ後に痛んだ惣菜を食べさせないやさしさを感じます。
1983年 菓子部門子会社「株式会社 枯山水」設立
突然枯れましたよね。
1984年 菓子部門子会社「株式会社 ベラボー島」を「ベラボーのお菓子株式会社」と改称
やっぱり「島」が分かりにくかったのでしょう。「ベラボー」だけ残りました。
1984年 日配食品部門子会社「ヌーボー食品株式会社」設立
今度は同じ「ボー」でも「ヌーボー」です。アールヌーボーとかのヌーボーでしょうか。この会社のことなので違いそうな気がします。なお、この後、福岡ヌーボー、東海ヌーボーと広がっていきます。好調だな。ヌーボー。
1986年 業務用部門子会社「株式会社 御一同」設立
すごくずらっと並んでそうな感じがします。業務用ということで、かしこまった感じのイメージですね!好感!
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以上、大変興味深い沿革でした。現在のグループ会社を改めて並べてみると…
- コンチア株式会社
- 株式会社 茶良さろん
- ニギー食品株式会社
- ワンデー食品株式会社
- ベラボーのお菓子株式会社
- 株式会社 御一同
- ヌーボー食品株式会社
- 株式会社 枯山水
- 東海ヌーボー食品株式会社
- 福岡ヌーボー食品株式会社
…200名くらいの会社にしては子会社が多すぎるような気がします。もしやブンセンさん、会社名を付けるためだけに会社を作っていませんでしょうか。そんなはずありませんよね!
ともあれ、お店でこれらの会社の商品を見つけたら、きっと買ってみることでしょう。なぜなら名前が変だからね!