月別アーカイブ: 2013年5月

異論はあるであろう、渋谷 喜楽中毒者のための代替ラーメン4種

前回記事で取り上げましたが、渋谷の喜楽休業のお知らせに少なからぬショックを受けている方、多いかと思います。

本日(5/29)現在、あくまで休業とのことなので、そこまで心配するに及ばず、ですが、あれがしばらく食べられないと思うとボディーブローのようにきいてくるものがあります。

しかし、ないものは仕方ない。その寂しさをごまかすために今できることを楽しみましょう。そういうわけで、個人的に「喜楽と近い楽しみ方をできる」と感じているラーメン店をご紹介します。

喜楽に由来するお店もございますが、「ラーメンともやしそばとタンメンの時代」のうまいラーメン、という観点で絞りました。まあいろいろご意見もありましょうが、そこはなんとかご高配を賜わりますようお願い申し上げます。(というか、俺は私はここだ!というコメントがあると嬉しいです)

永楽(大井町)

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大井町にある「野垂れ死にたい路地」No.1こと東小路のまっただ中にあります。喜楽と同じように揚げネギを使っているということで、郷ひろみの話題になったら我修院達也が出るくらいのレベルでこの店の名前は出てきます。

こちらの揚げネギは喜楽に比べて黒いです。それが見た目をとても素敵にヒドイものにしています。あと、平打の麺がたいそうベロンベロンで、食べているとなんだかグチャグチャになります。それが猛烈に美味しいのです。喜楽とは見た目と揚げネギこそ似てはいますが、全く別物です。

20130529-121955.jpg個人的なオススメはもやしそばです。揚げネギで真っ黒になったスープにどろりとしたもやしのあんかけが乗るその姿は「暗い宇宙に浮かぶ謎のあんかけ星雲」という印象です。野菜炒め感のある喜楽の「もやし麺」とは違って、いわゆるサンマーメンに近いですが、ベロンベロンの麺にデロンデロンのあんかけがまざってそれはそれはもう大変です。オススメです。 

 

かおたんラーメン(青山霊園の南端)
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ここはまさに喜楽で働いていた方が作ったお店だそうで、たぶん今回紹介する中では最も味が近いと思います。スープの味はハッキリと強いため、私はもしかしたら、ラーメン単体としては喜楽より好きかもしれません。おいしいです。絹さやの緑も大変美しい。

ただ、それ以上にイイのはこの店のたたずまいです。まず、都心にあるにもかかわらず、どの駅からも歩いて10分以上はかかるという立地。いいですね。そして最寄りのバス停が「墓地下」という名前。ゾンビが出そうでいいです。

 

そして、さらにはこの外観。

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いいですよねえ。そりゃあ入ります。見た目のワクワク感とラーメンの味が見事に合致する名店、と思います。

なお、同じ派生店で恵比寿ガーデンプレイスの近くに「香湯ラーメン ちょろり」もあります。そちらは喜楽やここの店より少し味が優しめでこれまた美味しいです。

はつね(西荻窪)

74511ここから紹介する店は揚げネギが入っていないので喜楽とは全く違いますが。

今やタンメンの店として有名で、大変な行列のお店です。どいつもこいつもタンメンばっか食べやがって(おいしいけど)全く注目されませんが、私はこちらのもやしそばが大変好きです。どなたかが「慎ましい」と表現しており、その通りかとも思いますが、それだけでなくとても強いです。それは味だけでなく、もやしと申し訳程度に添えられた人参の美しさによるものでしょう。

先代のとき、おばさんが窓に飾っていた小瓶に入った小さい花が大変印象的でしたが、あの花とこの人参の存在感が少しかぶるのです。ああ、なんかウザい感じの評価になっていますか。まあ、とにかくタンメンだけでなく、もやしそばを食べてみるべきと思います。

集来(大門)

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サンマーメン

今まで出た店より比較的知名度が低いですが、こちらのラーメンは個人的にものすごく好きです。

昼時になると近所で仕事するおっさんばかりで埋まり、店内はおっさん充実度が高いです。かわりに夕暮れ時になるとガラガラで、ほぼ独占状態になるのですが、薄暗い店内で食べるここのラーメンは得も言われぬうまさを感じます。

名物の手打ち麺はたいそう美味しいので必ず注文すべきですが(各30円アップ)、それ以上にここのスープを味わっていただきたいと思います。

ここのスープ、古い中華由来っぽいラーメン店では珍しい、煮干しの出汁が香りますが、これがいやらしくない必然性のある味なのですね。で、スープはものすごく量が多くて、食べている間、ずっとたゆんたゆんしています。永福町大勝軒に比較する方もいますが、それも分からなくもないです。

お店ではタンメンや五目そばなどの塩味メニューがよく出ていますが、私は普通のラーメンやサンマーメンなどの醤油味をおすすめします。たゆんたゆんとする贅沢なスープに麺を泳がせやがれ。

というわけで、喜楽がなくなってもんどり打っている方はこちらにもチャレンジしてみてはいかがでしょうか?どうぞよろしくお願い申し上げます。

 


(7月2日再開しましたよ!!)渋谷の喜楽の休業について

[追記 7/2] ついに再開しました!というか、早い!詳細は後ほど!

[追記 6/8] 検索でいらっしゃる方が多いようなので、今のところまとまっている情報を書きます。

  • 「閉店」ではなく店内改装のための「休業」。
  • 本当に改装している。(カウンターも撤去するくらい本気の改装 13/6/8撮影)BMOyxYRCYAAfn-j.jpg-large
  • 再開の日程は分かっていない。
  • 従業員を募集しているので、そんなに遠くないんじゃないか・・・と思う。

以上です。

喜楽中毒者のための代替ラーメン4種なんていう記事も更新したので見ていってください。

5月22日の私の周辺のTwitterのタイムラインを「喜楽、休業」のニュースが飛び交った。

こちらも慌てて調べてみたが、どうやら本当らしい。ラーメンデータベースでは5月17日に休業したという報告が上がっていたので、初報はそのあたりなのだろう。「閉店」ではなく「休業」なのは少しだけホッとしたが、それにしても、渋谷に喜楽がないことの喪失感ったらない。

喜楽とは、昭和28年に創業した渋谷のラーメン屋だ。歯切れのよい平麺(最近麺が変わったけど)と、シャキシャキのもやし、そして味の印象を決定づける揚げネギ。大変うまい。

この店、ファンは多いが、店も半世紀以上続いているだけに、初代から通っている派、改装されたビルしか知らない派など、まあファンに色々なパターンがあるわけで、あの頃はうまかった、いやいや、あの頃に比べるとこの頃は、なんて断絶があったりする。私が喜楽を初めて食べたのは約15年前、大学に入ってすぐの4月だ。おいおい、15年前か。ビルしか知らない派です。

そんな断絶もあったりするファン達だが、私の周囲の喜楽ファンには世代を問わず共通している部分がある、ように見える。それは「今日喜楽食いたいからどうしても渋谷に行く!」みたいな、ラーメン二郎のごとき中毒症状的な感じで好きではない、ということだ。どっちかというと、何かの用事で渋谷に行った時に「あー、渋谷かー、渋谷行くとまあ喜楽だよなー、仕方ないよなー、渋谷だもんなー、いくかー」とニヤニヤしながらしぶや百軒店のアーチをくぐる感じ。これが近い。

「なんとなくセンター街の桂花気分なんだが、やっぱり渋谷に来たら喜楽だよな、桂花は新宿行っても食えるし、なんとなく渋谷で桂花は邪道な気もするし、よし喜楽。でも坂登るのめんどくさいし・・・でも喜楽。」で、歯切れのよい麺をズバー。

喜楽の味自体もだが、渋谷に来た時のこの悩み、なくなるのが寂しい。

遠くないうちに再び食べられることを願って。1階のジャニーズばりに胸のはだけたおじさんの話などもしたいところだが、それはまた復活したときにしよう。


藤原マキ「私の絵日記」とつげ義春「外のふくらみ」について

昨日、藤原マキ「私の絵日記」という本を読んだ。

この本は1980年頃の調布の団地でオトウサン(夫)と4歳の息子と暮らす女性が描いた約1年間の絵日記だ。見開きに数行程度の簡潔な文章と絵。巻末に寄せられたオトウサンの言葉によると「荒削りのいかにも素人の作品(中略)、でも絵は神経質なところはなく、子供っぽい伸びやかな面があって」という評。オトウサンの口は悪いが、言う通り絵は上手とも言えない。けれど、一見から不思議な柔らかさがあって、読んでいてとても心地がよい。

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一月十六日
正助は鼻がつまって、特に寝た時は大人のようないびきをかくので、暮れからずっと耳鼻科に通っている。私は待合室で待っているのだが、のれんの下から見ると、神妙な顔をして吸入器を当てゝいるのでおかしくなる。

描かれるほとんどが上のような日常を彼女の画角でそのまま描写したものだ。起伏はない。でも、この絵と文章が何枚も何枚も続くと、彼女によって大事にされた息子と、大事にされたオトウサンの姿が、たいそう滑稽だけど愛おしく浮かび上がってきて心が掴まれてしまう。髪が人一倍太いオトウサン(カミソリで切るんだって!)、たこあげで母がいなくなってベソをかく息子。それらを見ていると、もちろん描かれた男二人もだけど、家事を終えた後、「カーチャンの部屋」と呼ばれる台所でせっせとそれを書く作者の後ろ姿が思い浮かんでしまう。

その背中は、私にはとても切実で祈りに近い、願いを持ったものに見える。特別なことは起こらない、言葉にも出していないのに、その願いに胸が締め付けられるような思いをしながらページをめくるハメになるわけである。
(まあ、妻ともうすぐ3歳の息子との3人暮らしであるという自分の状況による部分が大きく影響しているだろうけど)

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絵日記は後半から少し状況が変わってくる。オトウサンが不安神経症にかかってしまうのだ。これにはさすがに彼女も参ってしまう。これまで文章に出てこなかった願いが以下のように文字として現れてきてしまう。

20130521-084220.jpg四月二十八日 晴

初夏のような暑さになった。
いつものように正助を幼稚園から連れて帰り昼食。オトウサンも今日は少し楽な様子なので外へ行こうと誘ってみた。あんまりいゝ天気なので思い切って少し遠出した。「野川」の土手で自転車をとめ、正助を遊ばせた。正助はまるで生き返ったように花や虫と遊んだ。

太陽がキラキラ輝き、花は咲き、つかの間の辛さから逃れて平和な気持ちに包まれた。このまゝこゝにずっと居たいと希い、もう帰りたくないという気分になった。

これを読んで思い出した。この絵日記が描かれたのと同じころ、オトウサンである漫画家、つげ義春はこんな作品を発表していた。

外のふくらみ

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彼女が見て、「ずっと居たい」と希った光景は、オトウサンにとって、侵入してくる「外」に見えていたのだろうか。私は同じ頃に夫婦二人それぞれが描いた素晴らしい作品を見ることができることを幸運に感じるが、どうにも自分が勝手に投影した思いがずったんずったんに引き裂かれるこの感覚はいかんともしがたく、言いようがない。

本書巻末に掲載されているオトウサン(夫)つげ義春のあとがきは、そのズタズタの心をさらに鎌でバッサバッサと刈り切るもので、ここまでくるともはや爆笑するしかないのだけど。でもこの文章の最後には、そのどうしようもない野原に、カチカチなったおまんじゅうをポンと置くような一言がある。

・・・、まあそこらへんは読んで確認していただければ。ググれば出るけどさ。

藤原マキが描いた絵本「こんなお店しってる?」はウチの息子も大好きです。


半額金券バックは50%オフではない

私がもっぱら使っているレンタルCD屋は毎月決まった日に「半額金券バック!」というありがたいキャンペーンをやってくれます。圧倒的にお得なので、その半額の金券がもらえる日だけお店に行ってしこたまレンタルをして帰ってくるわけです。どうです?ケチでしょう?

しかし、たまに見るこの「半額金券バック」。なんとなく買い物した金額の50%を得した気になっていませんか?でも実はそんなことはないのです。

「いまさら何を言ってるんですか、当然のことを偉そうに!人間の程度が低いですよ!!」「電気店のポイント還元と同じからくり・DE・生姜!」などと言われま生姜、自分自身この半額金券バックのサービスを使い始めた時は半額でCDをレンタルできていると漠然と思っておりました。何回目かで、なんか違うぞって気付いて解を導き出したので自分で自分を褒めたい(有森裕子)。

というわけで、結論から申し上げますと、

金券半額バックの実態は最大でもだいたい33%オフである!

ということになります。

理由

なぜかというと、もらった金券は必ず次回以降の買い物で使う必要があるため、金券をもらったときの金額だけでなく、金券を使ったときの金額も含めて割引率を考える必要があるからです。(だって、次回その店で買い物しなくては紙くずですから…)

で、実質的な割引率もパターンによって多少変化します。では、以下、いくつかのケースを考えてみましょう。

ケース1: 金券をもらって、次回の買い物でその金券分だけ使う場合

たとえば割引デーに1,000円の買い物をして500円の金券をもらって、次回、500円分の買い物をして、それを全て金券で支払うという方法です。

このケースの場合、総額と割引率は以下になります。

総額:(割引デー)1,000円+(金券を使う日)500円=1,500円
割引金額:500円
割引率:500/1,500で約33%

もともと1500円だったものが、金券によって1000円になったわけです。
1000円のものが500円になる50%オフとは大きく異なるわけですね。

ケース2:割引デーも金券を使う日も同じ金額の買い物をする場合

もらった金券分だけの買い物をする、というわけにはいかない場合も多いと思います。例えばラーメン屋とかだと、前回600円で食べたときの半額バックの金券300円を持っていても、それを使うときは結局600円のラーメンを頼むしかない、なんてケースはありますよね。
(誰ですか、チャーシューご飯だけ食べればいいとか思っている人は。)

そういうケースを考えると、割引率は以下のようになります。

総額:(割引デー)600円+(金券を使う日)600円=1,200円
割引金額:300円
割引率:300/1,200=25%

もちろん金券を使う日の購入金額が増えればその分割引率も減るし、割引デーにチャーシューとかネギとかをトッピングしてたんまり金券をバックしてもらえば割引率は上がります。でもそれは極限までやっても、つまるところケース1になるわけですから、割引率が33%を超えることはないです。

とまあ、こんな感じになります。もちろん、半額金券バックは大変お得なので、積極的に活用すべきなんですが、50%オフだ!と勘違いして使っていると、意外に激しい出費をしてしまうことになるかもしれませんよ、ということです。

そういうわけで、皆様もこんな感じで数%の違いをケチケチ考え続けて友達を減らしながら生活してまいりましょう!

なお、有森さんはガブリエルさんとは2012年に離婚したそうです。
以上、よろしくお願いいたします。

 

以下補足)読まなくてよいです。

続きを読む


世の中には大きいのか小さいのかよく分からないものがある。

昔よく通っていたラーメン屋は、「麺類を頼むと半ライス無料」というサービスをやっていたが、この店は半ライスの量を「大盛・普通・小盛」から選ぶことができた。

つまり、注文のとき、このように伝えることになる。

「ラーメンと、半ライス大盛で」

ライスが大きいのか小さいのか、よく分からない。

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別のラーメン屋では、ラーメンの大きさを「並・中盛・大盛」から選ぶことができたが、この店、中盛の量がかなり多いため、「並盛では足りないが、中盛を注文すると食べきれない」という難民を多く生み出すことになった。したがって常連の間で自然発生的に

「ラーメン、中盛の少な目」

という注文が起こることになる。文字面だけ見ると、ラーメンが多いのか少ないのか、よく分からない。

#

東京の御徒町の近くに「上野広小路」という駅がある。

大きな地図で見る
「広小路」というのは江戸時代から火事の延焼を目的として整備された「広い」道路のことらしいが、この名前では道が広いのか狭いのか、よく分からない。

#

先日、スーパーでこんな商品を見つけた。

big-mini

これもサンダーがビッグなのかミニなのか、よく分からない。しかもファミリーパック。

#

このように大きいのか小さいのか分からない表現は世の中を侵食している。この傾向がこのまま続けば、いずれ「上野広小路のラーメン屋で、ラーメン中盛の少な目、半ライス大盛を食べたあとにビッグサンダーミニを食べる」という経験ができる日が遅かれ早かれ来るとか来ないとか。それを想像したら、多少なりともドキドキするやら、しないやら!