●さあ、入ってみよう
梨記念館は鳥取県は倉吉市というところにある。鳥取では第三の規模の都市で人口は5万人である。土蔵群など古き良き日本を感じさせてくれる名所を有する。(なお、この白壁の土蔵群は100mも歩いたら終わる。古きよき日本という考えがはかないものであることをまざまざと知らしめてくれる。まさに歴史遺産である。)
そのような町にある梨記念館。どのような場所なのだろうか。中心部から車を走らせると、ほどなく落ち着いた町並みには似つかわしくない巨大な建造物が目に入る。
上の写真を見ていただいても分かるように、全く梨感が漂ってこない重厚な建造物である。やや丸いのがかろうじて救いだ。奥の建物は四角いが、まあ、葉っぱをちぎって四角くした、とかそういう感じの解釈をすれば梨に関連してきそうだ。
●素敵なキャラクター
事前にホームページから仕入れていた情報によると、梨記念館に入ると鳥取県のキャラクター、ピアート(右図)が出迎えてくれるはずである。このキャラクターはみうらじゅんのゆるキャラにおいて「キャラクター大賞」を獲得したという非常に優秀なキャラクターである。確かにかわいいと思う。特に筆。
こんなにつぶらな瞳のかわいいキャラクターに出迎えてもらえるのだから、梨を記念する気持ちにも気合が入ろうというものである。
さあ、意気揚々と梨記念館に入ってみよう。出迎えてくれ!俺を!
●梨アトラクション
妙に足だけリアルな丸い物体の脇を通り抜けると、記念館のお出ましである。館内1階には様々な仕掛けがあり、我々を梨に親しませてくれる。梨と人の壮大なロマンを描いた「梨の来た道」という映画、ロボットの演技による「鳥取二十世紀梨ものがたり劇場」など、枚挙に暇がない。時間の過ぎるのを忘れて楽しんだ。つまり、時が過ぎるということを忘れるくらい、長かった。
そんな中でもインタラクティブに梨の知識をつけることのできる「梨ゲーム」は楽しい。
上の写真は梨選別ゲームである。梨を置くだけでよい形の梨を選別することができるセンサーが開発されており、これを体験できるのである。
このゲームでは梨の模型が4つ用意されており、「この梨はよい形だ」と思ったら中央部のセンサーに乗せる。すると機械が判断をして、「コ・ノ・ナ・シ・ハ・イ・イ・ナ・シ・デ・ス」と伝えてくれるのである。(なお、これは筆者による想像であり、実際はこのようなロボット音声は出ず、淡々と「正解」と表示されるだけである。)
私は、3回やって全部外れた。そもそも一般消費者が「いい形である」と判断できないのであれば精度の高い機械によって「いい形の梨」を判断しても仕方がないのではないか。そんな疑念も生まれたが、ただの負け惜しみだ。うむ。そうだろう。そうに違いない。
続いて摘果クイズ。あまりよくない梨を小さなうちに摘み取って、いい梨に多くの栄養を与えるという作業である。クイズはこの梨キャラクターが出題してくれる。問題は非常に難解である。もちろん筆者はしっかりと不正解を重ね、ドンマイとこいつに励まされてしまった。
帰れ。ボンベイに。
唾を吐き捨てたところで2階にあがりましょうか。
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