鍋汁ミシュラン (3ページ目)
●冷えた汁をググイと

1.「博多風 水炊き鍋スープ」 (ニッスイ)

ニッスイという一流企業の製品であること,そして水炊きというあっさりとしたスープであるという前評判の高さが特徴的であった.
よって,これから訪れる苦行にやさしく没入できる,という打算から最初に選んでみた.

注いでみてビックリするのは,水炊きという言葉から連想されるものとはかけ離れた,白いドロドロした液体だったことだ.なんか臭い.

感想:
・白い.
・ベーコンの味がする
・冷えてるっていうのはやっぱり無理がある
・ケミカルなヨーグルトのにおい
・脂身だけって感じだった.
・もしかしたら我々は鍋汁のうわずみだけを飲んでいるのかもしれない.

それにしても,これを使って一体どんな鍋が出来るのかわかんない(計画の意義がない)

1.「博多風 水炊き鍋スープ」 (ニッスイ)
四万十川 ブルース ギモ
3点 4点 2点

食前に鍋汁をよく攪拌することの必要性に気づきながらも,もう飲みたくないので次のスープに行く.



2.水たき料亭博多華味鳥  鴨鍋スープ (トリゼンフーズ)

いよいよ不安になってきたところで,続いて水たき料亭博多華味鳥  鴨鍋スープ (トリゼンフーズ)を投入.落ち着いたパッケージに思いをはせ,失いかけた期待を無理やり鼓舞する.

袋を傾けると,上品な琥珀色の液体が出てきた.においも自然.これはいけるぞ.
3人ですする.うん.ふつうのだし汁って感じだ.ほっとしながら飲んでいると,ブルースが何か引っかかっている様子.

「分かった.これ,たまご豆腐のタレの味だ」

みんな納得.まさにその味.そういうわけで,たまご豆腐のタレが好きな方は,これを購入してゴクゴク飲み干せばOKである.

というか,さっきと同じ水炊きのはずなのにここまで違うとは.結局水炊きってなんなのだ.水じゃないのか.

あと,鴨鍋とか書いてあるのに,鴨なんてどこにも見えなかった.たぶん鴨にあうようなスープなだけで,原材料にも鴨エキスとか入ってないんだ.それでいいんなら,水としょうゆの汁を作って,フォアグラ鍋とかフカヒレ鍋の素とか名前をつけてみるといいかもしれない.たまご豆腐なだけでなく新たなアイデアを生み出させてくれる好鍋汁に,皆の点数ゆるみ気味.かなりの高得点だ.

2.水たき料亭博多華味鳥  鴨鍋スープ (トリゼンフーズ)
四万十川 ブルース ギモ
6点 8点 6点




3.白菜がおいしい とんこつ鍋スープ (くばら)

「くばら」っていうなんとなく不吉そうな微妙な名前と,「とんこつ鍋」なる今だ出くわしたことのない新種の鍋であるという事実は我々の焦燥感を増進させる.

とんこつ鍋.鍋未体験ゾーンが続く.パッケージには穏やかな顔で鍋の中に入っている白菜ちゃんが描かれている.人は諦めたとき素敵な顔をする.そんな真実を思い,白菜の冥福を祈りながら袋を開ける.



またも白い.全員からうわあ,って言う声が.白い鍋っていうのはポピュラーなのか.

感想
・まずい
・インスタントのとんこつスープの味
・海原雄山のように,指で少しだけつけて舐めてみても,とんこつ臭い.
・粉っぽい味.
・これは食べたくない

3.白菜がおいしい とんこつ鍋スープ (くばら)
四万十川 ブルース ギモ
2点 3点 2点

気づいてみたら,ここまでは全て博多に関連しているのだ.二つの水炊きは博多風,とんこつ鍋の「くばら」も博多の会社だ.なんとなく博多に対する恨みがつのる.たまご豆腐でも食っておけ.




4.北海道大豆 豆乳鍋スープ (ナチュラルデリカ 高田工場)

これは,冷えたまま啜ったら,明らかにまずいと予測されるものの筆頭であった.しかし,パッケージには大きく「豆」.自信のほどが伺える.



とろりとした粘度の高い白い液体が注ぎ込まれる.豆乳の香りがふわっと広がる.食品添加物は一切使用していない
四万十川「これは本格的ですねぇ」
ギモ「無印っぽいデザインですね.これは期待のホープだ」
ブルース「豆乳のにおいしかしない」

「期待のホープ」は繰り返し言葉ではないのか.さて,一口すする.

うわあ

さっきからうわあ,ばっかリ言ってるような気もするが,実にうわあである.豆乳にだし汁を入れた感じだ.隣ではブルースがウエッと吐いている.

・だめだ
・おぇぇ
・水・・・水を・・・

そんな原爆投下直後の広島のような状況が展開される中,ギモだけは「豆腐の味だ」「水炊きよりうまい」などの感想をあげる.うーん.

豆乳も,豆腐の絞り汁だと思って飲め.


4.北海道大豆 豆乳鍋スープ (ナチュラルデリカ 高田工場)
四万十川 ブルース ギモ
0点 0点 3点




5.海鮮イタリアン鍋スープ (カゴメ)

ここで舞台は日本からイタリアに移る.イタリアといばあれだ.私はイタリアの有名な曲「サンタ・ルチア(音が出ます)」をイタリア語で歌える.「スルマーッレルッチカーラスティーオラモルソープラチーダエモンダーフンフンフンフンフーンフンフンフンフンフーンフンフンフンフンフーンフンフンフンフンフーサンタールチーアー」.

同様に,「帰れソレントへ(音出る)」も歌える.ちなみに,小学生のとき,私はこの曲を,「変えれ,ソレントへ」にすればちょっといいことに気づいた.歌いながら漢字を思い浮かべてみる.

「変えれーーきみー,うるわしのまーちー,こーのーソーレーントへー変えーれーよー」

それはいいとして,海鮮イタリアン鍋スープである.カゴメ製ということで,ケチャップファンの期待も高まる.


能書きは「トマトスープで仕立てる魚介と野菜のごちそう鍋」とのことである.見てのとおり,スープは血の赤だ.トマトと,よく分からない具も入ってる.

・ポークビーンズ系の味だ
・すごくおいしい
・飲み物としてかなりいける

おおむね高評価.最後はリゾットとして二度おいしいらしい.そうか.リゾットは雑炊なのか.イタリア人も俺らと同類.

みな一様に高い点数だが,鍋汁としての評価よりも冷えた状態でのうまさが光る一品.このままじゃあ,このイタリアン鍋を食べることになってしまう.せっかくの餅巾着もつくねもイタリアに包まれてしまう.

危機感を抱きながら次の鍋汁に移る.


5.海鮮イタリアン鍋スープ (カゴメ)
四万十川 ブルース ギモ
7点 7点 9点





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