月別アーカイブ: 2018年3月

新料理番組(案) 「八名信夫の飯を食わせろ」

10年くらい前に「こういう番組が見たい!」という思いで書いた記事を久しぶりに読んだら、今でも「見たい!」と思ったので再掲します。

高級中華料理店、円卓のある個室。

上座に一人、座るのは本日のゲストの八名信夫。

カメラは個室内にいくつかのアングルで設置されている。メインカメラはかなり広角のヒキで高めの角度からの映像。他、円卓の真ん中に設置されたもの、左横あたりから手元を映すアングルのもの。

ナレーションなし、店内の雑音あり。

店員入ってきて注文をとる。八名、思うままにまずは青島ビールに中華風サラミ、クラゲ、青菜炒め、トンポーロー、鶏肉カシューナッツ炒めを注文。

八名、待つ。タバコに火をつける。意外に100円ライターを使っていたりする。ジジワとタバコが灰になる音が聞こえる。と、八名、灰皿がないことに気づく。店員を呼ぶ。

「おーい、灰皿。」

個室の常、店員なかなか来ない。声は伝わってないようだ。八名、わざわざ部屋の外まで呼びに行くのも、という顔。

結局ちょっとあとに青島ビールとクラゲを持ってきた店員に灰皿を頼む。灰が落ちそう。八名、テーブルの角でタバコを持った左手を固定し、右手だけでビールをグラスにつぐ。グラスの液体をグッとあおると、右手を箸に持ち替えてちょっと難しそうにしながらクラゲをつかむ。フンムと食べる。特に感想はなし。

灰皿とともに中華サラミが届き、左手が解放される。続いて青菜炒め。「ホウ、青菜は青梗菜か。」なんだか微妙に残念そうな八名。唇の下がった顔アップ。青菜を唇でハムッとしたりする。

トンポーローが来る。ホロホロの脂に舌鼓。

鶏肉カシューナッツが来るころには温めた紹興酒にうつっている八名。ザラメを持ってくるかという質問には手を横に振って返す。そうこうしていると胡弓を弾くチャイナ服女性が部屋にやってきたりして、上気した顔。

どっから来たの?山東の方です。水餃子がうまいよね。そですね。留学?そですね。かみ合わない会話。地上の星が奏でられる。本番組唯一の音楽。終わると胡弓をぶら下げてお辞儀して去る女性。

食のペースも落ちてくる。そうはいってもシメは食わんとということで、思いきって五目焼きそばを。視聴者全員が、オイオイそれは自殺行為だろうと思うも、赤ら顔の八名には伝わらない。

予想通り五目焼きそばが食べきれず、おふー、おふーと言いながら最後に紹興酒を開けると一言。

「ねえちゃん、これ包んでくれんか。」

テレビの前の視聴者拍手喝さい。ビニール袋片手の八名の後ろ姿がネオン街に消えていく。