月別アーカイブ: 2014年4月

京都の土産は三条京阪 伏見の鯖寿司(1500円)で決定ではないか?

DSC03612

(「伏見」は2016年5月末に閉店してしまったとのことです。本当に残念だよ!)

すみません、半年前から京都に仕事でちょこちょこ通うようになった初心者の30代男が申し上げております。

京都に行った際に、自分や家族向けの土産を探すと結構途方に暮れます。京都の和菓子はとても充実しているのですが、甘いものがそんなに好きではない私はあまり心惹かれない。そうすると漬物とか昆布とかちりめん山椒とか、と小物系に走ってしまいがちです。もちろんそれもいい。でも自分向けのおみやげはもっとなにかこう、

  • ドーンとした実体があり
  • 食卓が華やぎ
  • そこでしか買えない

もののほうが心を揺さぶります。そういった3点を満たすものを、ありがたくも見つけましたよ、という話です。

居酒屋好きの間ではとても有名(それこそ東京もんの私が知っているくらい)な「伏見」というお店が京都は三条京阪のほど近くにあります。

20140410-175202.jpg

うまくて量の多い魚と強い個性のあるおかみさんが名物ですが、こちらで飲んでると、その個性のあるおかみさんがやってきて、だいたい以下のやり取りが展開されます。

「鯖寿司1本持って帰りますか。」(淡々とした関西イントネーションのかすれ声で読んでください)

ここで悩んでいると、

「いる、いらない、どっちですか」(同上)

と来る。そこで「んー、すみませんやっぱりいらない」と言うと

「1本はいらない。そしたら、2貫ほど食べて決めなはれ」(仁鶴っぽいイントネーションで読んでください)

で、まあ「そこまで言うなら・・・」と折れ始めると

「まあでも1本買うて、そのうち2貫をここで食べる方が得ですよ」(仁鶴っぽいイントネーションで読んでください)

「えっ?えっ?」

「はいー、鯖寿司1本、2貫ここで食う~」(厨房へ)

果たして、このDoor in the faceテクニックとFoot in the doorテクニックを巧妙に組み合わせた営業トークでビニール袋に鯖寿司を持って帰るおっさんが後を絶たない、というわけです。

 さて、この鯖寿司。1500円です。高いか安いかは皆さんの判断にゆだねます。京都で有名な「いづう」の鯖寿司は1本4500円くらいします。柿の葉寿司は14個で1800円。鳥取は米子の吾左衛門鮓は1800円。ふむ。

DSC03617

こんな感じの外観です。

DSC03614

中身は10個に切ってあります(見栄え悪くてすみません)。鯖の厚みはなかなかのもので、とても脂がのっています。酢の締め加減もちょうどいいし、昆布のうまみがじっとりと、そしてしつこくなく浸み込んでいる。まあ、より丁寧に説明するなら「結構うまい」ということになります。1つ1つの食べ応えがあり、サッとした食事にも申し分ない。

さらには食卓にあのがめついおかみの顔が浮かぶわけです。交渉に負けた己の弱さに苦笑いをしながらむっちりとした鯖をかじるのも悪くないものです。「交渉に負けたけど、鯖寿司はうまいから俺は勝負に勝ったの!勝ったんだって!」と虚しく叫ぶのです。どうですか。このイベント性。これこそがおみやげではないか?

なお、おかみによると日持ちについては、「日本基準では明日までに食べて。中国人やったら2日後まで大丈夫言うよ」とのことでした。私は中国人基準で食べきります。当然早めに食べたほうがおいしいですが、量が多いので結構残ります。ちなみに、通常は冷蔵庫には入れない方がいいです。固くなるので。夏場はまあ、どうにかしましょう。

ということで、伏見の鯖寿司おすすめさせていただきました。京都は内陸ということで、若狭などから日持ちのするしめ鯖を運んでおり、大変珍重されていたと聞きます。まあ、そういうゆかりなども含めて鯖寿司、いかがでございましょうか。

なお、お前は分かっとらん!京都の土産はこれやろが!というご意見があったら、ぜひコメント欄などにてご指導ご鞭撻のほどをよろしくお願いします。


晴れた朝、通勤路の誰もいない玄関から、かどやのごま油の瓶が転がり落ちてきた。

瓶は丁寧に二段降り、三段目で弧を描いてアロエの植え込みに紛れて止まった。コリコリとガラスがコンクリートをこする明るい音がして、今日はいい日になりそうだ。


飲食店名の流行に関する一考察 ~イカセンターに続く店名は何だ~

photo9

近年の飲食店は「製麺所」であるとか、「食肉センター」であるとか、「イカセンター」であるとか、いわゆる飲食店ではなく、その一歩手前の製造者や卸などを彷彿させる名前がかなり流行しているように思う。

実態はピンキリだろうが、そのネーミング自体のイメージはなかなか狡猾だ。「生産者により近い」「本格的」「品質にこだわる」「豪快」「直売っぽくて安い」といったイメージを喚起しないだろうか?これはより安く、しかし本物志向である現代のニーズにマッチしたところであるし、現在のところ効果はあるように見える。

とはいえ、そのような店名が流行して増え続けると、その本格的で安いイメージから乖離した店が登場し、提供される飲食体験の質が低下してくることは予想される。そのことで「製麺所」とか「××センター」などの良好なイメージが徐々に消え、消費者側の「飽き」が必ず来る。そう。今後店名の流行に関して大きな揺り戻しが来るはずである。

そこで私は考える。そういった「生産者、物流により近い」「安そう」といったイメージに落胆した消費者が求めていくものは何か。そこにこそビジネスの萌芽があるのではないか。

私の予測では、そこで求められるのは、先進的な知見により、新たなる「食」のコンセプトを提案してくれる頼もしい存在だ。自分の「食」に対する凝り固まった信念や構造を解体してくれる存在。そういった「食」の上流工程をデザイン、コンサルティングしてくれる店に対する要求が高まってくるのではないだろうか。そして、そのようなコンサルティング体験を与えてくれる店名に惹かれて集まってくるはずだ。

さあ、ここまでの仮説を元に、今後数年のうちに、例えば以下のような店名が消費者の心をつかみ、流行すると予測する。

カツ丼・コンサルティング・グループ

世界をリードするカツ丼コンサルティングファームとして、政府・民間企業・非営利団体など、さまざまな業種・マーケットにおいて、めんつゆ、ソースにとどまらないカスタムメイドのアプローチにより、クライアントが持続的満腹感を築き、組織能力(ケイパビリティ)を高め、継続的に優れた業績をあげられるよう支援を行うコンサルティングカツ丼店である。

ペロリと・トンカツ・コンサルティング

決してデロイト・トーマツ・コンサルティングの真似ではなく、ペロリといける食べ応えのない新しいとんかつの価値を提案する総合コンサルティングとんかつ店である。

しらすを売った・ハム作ったっす

決してプライスウォーターハウスク-パーズの真似ではなく、しらすとハムのマリアージュの提案をメインにする和風ダイニングバーである。

マッキンゼー&イカ

クライアントの最重要目標の達成に向け、本質的かつ継続的にイカを提供する飲食店である。

イカ&カンパニー

クライアントの最重要目標の達成に向け、イカが本質的かつ継続的に顧客のビジネスを伸長させるコンサルティングファームである。

マグロ&イカ

紅白がめでたい感じのする刺身盛り合わせである。

#

飲食店を開店しようと計画している若き志士。権利は放棄するからぜひこれらの店名を使ってみてほしい。そんじゃーね!