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大井町「肉のまえかわ」はプロフェッショナルなコスト意識に裏打ちされた名店である
東京の大井町の駅から出てすぐのところに東小路という見事な路地がある。個人的には「東京野垂れ死にたい路地裏ベスト3」の中に入るんだが、その端に元肉屋、現立ち飲み屋(角打ちに近い)「肉のまえかわ」はある。
ここは、毎日16時くらいからオープンしてすぐにイイ顔をしたおじさまたちで一杯になる。明るいうちから赤ら顔で飲みながらパチンコがどうしただの、今日の仕事はつらかっただの言っている紳士の憩いの場である。
その人気の理由の最も大きなものは安さだろう。例えば、以下の写真のメニューは「サラダ」100円、「メンチ」120円、缶ビール290円、しめて510円である。小腹と酒欲を満たすのにこれ以上ない設定ではないか。メンチは揚げ置きだが、衣が大変サクサクとしていておいしい。サラダも100円としては十分なボリュームだ。
ドリンクと食事はこのような感じだ。
なお、初めての人はちょっと戸惑うかもしれないが、店のシステムとしてはシンプルだ。参考までに簡単に紹介すると、
- ビール等については奥にある冷蔵庫からとって、このカウンターのお姉さんの前に出す。
- 揚げ物、刺し等はカウンターのお姉さんに頼む。
- 焼き物は焼き場のお姉さんに注文して、焼きあがったら受け取り。
- 食べ終えたらカウンターに皿類を返す。串は缶の中にポイ。
となる。
それにしても、薄利多売とはいってもこんなに安くてやっていけるのだろうか?私はふと疑問に思い、メンチカツの油を舌なめずりしてふき取りながら店を注意深く観察した。すると、ふむふむなるほど、この店に徹底して貫かれたプロフェッショナルな「コスト意識」があることに気付いた。
そう。どんなに安くていい店でも、どんなにそれが愛されていても利益が出ないと潰れてしまう。その点、この店は安さを実現しつつも、その徹底したコスト意識によって健全な経営を行うことでしっかりとこの街に根付き、多くの人を楽しませてきたのだ。
以下に、私を唸らせたこの「肉のまえかわ」のコスト意識の一端を紹介させていただく。
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