君はタイムマシンの存在を信じるか。

先日、夜の12時ごろ。新宿の居酒屋に行ったとき。

最初のビールを飲みながらメニューを眺めると、アジのなめろうがあった。私はなめろうに目がない。アジに生姜や大葉、味噌を混ぜグチョグチョにしたものだ。食べてよし、眺めてよし、舐めてよし(冗談でなく、本当に舐めるから「なめろう」なのだ。)と、素晴らしい食べ物だ。

思わず注文「すみませーん。」

にこやかな顔をした中国人店員がやってきた。「なめろうください。」

店員はにこやかな顔で復唱「なめろー」。

パタパタと去っていく。

彼のきびきびした働きぶりに感心しながら、キャベツをゴチャゴチャとあえた名前も付けられないお通しを食べながら待っていると、先ほどの中国人店員が戻ってきた。

テーブルの横までパタパタやってくる。「アノ」

私は彼に向きなおし、「なんですか?」

「なめろー、ないです」

無念。「あー、そうなんですか。」

「つてきます」

「は?」

「つてきますので、まててください」

釣ってくるらしい。

「がんばってください。」

「アイ」パタパタ。

よく分からないまま、追加で豆腐を頼み、言われたとおりしばらく待つことに。でも待て。ここは新宿で、海まで少なくとも30分以上はかかるのではないのか。往復で60分。釣る時間と料理する時間を考えても2時間以上はかかるのではないか。どうやってこのバレバレのウソをつくろうんだ。そう考えている間も彼はフロアをきびきびと歩き回っている。私は固い豆腐をさばり、さばりと捥ぎりとる。


30分後、何の予告もなく、違う日本人店員の手によってなめろうが運ばれてきた。中国人店員は相変わらずパタパタ歩き回っている。


終わりがないのさエンドレス

先日、さわりだけご紹介したのですが、とある地方都市の博物館に行ったら「園児が描いたマンボウ」という展示会がありました。

愛らしい外見をしているとはいえ、なじみのないマンボウという題材。この難行を園児はどのように乗り越えたか。その軌跡を少し見てみましょう。

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ツインビー

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やん ゆんそん君の作品。緑、黄色、赤、青。こんな色はマンボウにあったか?と思わせる素敵な配色だが、目を奪うのはそのツインビーと見紛うフォルムと、ザクザクとしたソリッドな輪郭。

全体的に、マンボウから程遠いものだが、この尾びれのもやもや感は「あれ?アフロヘアの前髪部分ってどうなってたっけ?」とか「関根勤っていつもどんな格好してたっけ?」といった日常の知の隙間をぬう疑問にハッと気付かせてくれる。真実から遠いだけに、自分とは別にある真実を認識させてくれる稀有な作品である。




諦観

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下部のスッとした描線はその「何とか書こう」という意志を感じさせるものの、次第に上部から尾部のもやもやとした迷いを感じさせる線に変化していく。

その迷いはすぐに諦めに変わる。中央部の謎の黒線や、輪郭を無視した塗り潰し、そして塗りつぶしに入ったものの塗りつぶせないそのたたずまいは明白に作者の絶望(飽きた、とも言う)を示している。その姿はファッション紙等に載っている「おしゃれな人の家」のコーナーに奮起して、東南アジアっぽい内装にして壁にレコジャケを飾ってみるものの、その実、部屋の床にはサバ味噌の缶が転がっている、といった、「なれずもの」の姿を想起させる。






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智慧を感じさせないその空虚な口元、そして斜め上方を見つめる目。しかしその輪郭は痛々しいほどの棘によって象られている。象られた灰色の肉体。血の赤。それは例えば東京・山谷の安宿に似たガサガサの質感。

左下に描かれたくっきりとしたハートがその空虚さに拍車をかけている。目の前にある(そこに描かれた)現実を無視した痴だ。これは。




NOW

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今まで以上にマンボウという存在を無視した造形。その表象を「いま」という文字で彩る。何なのだ「いま」。

仮に「今」だとして、今、こんなのがいたらすごくいやだ。仲のよさそうな「いま」。

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結局、意図せぬところで生まれたもの(違う、「鑑賞する者の想像する何者かの意図を離れたもの」か)に敵う術はない。ハッとする美しさにただこうべをたれるのみなのだ。


同じフロアに金髪女性がいたらまたその意味合いも変わってくるのだろう。

指摘されてビックリ。

昨日書いたことは、既に2年前に書いたことだった。恥ずかしながら私はネタ帳を書いていて、そこから拾ってそのままコピー&ペーストしたらもうすでに掲載していたという体たらく。

小学校4年生のとき、漢字帳に400字とかそんな宿題が出ていた。でも、教師がひどく怠慢で、提出しても全然採点しない。未採点のページがどんどん増えていく。最後には全然書かずに出しても何も言われなくなった。

そのときの再現をしているようだ。この調子でがんばっていきたい。皆様もこの調子で当サイトを採点しないようにしてください。よろしくお願いいたします。

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職場の女子トイレの音姫の音が大きい。

フロアの入り口のすぐ横に女子トイレがあるものだから、通るたびにジョバジョバと音姫特有の音質の悪い水音が聞こえてくる。音姫というより音太郎。いや、音バーバリアン。

それを認識するたび、「ああ、便をしているんだなあ。」と思う。

匿名的な示威行為。もしかしたら自慰行為もしてるのかもしれない。
なお、男子トイレには音姫がないので、示威行為が出来ない。そういう場合はただ静かに自慰をするのみである。


大事なことだ。

最近、携帯電話の電源があまりにも早く切れすぎるので(1日つかったら充電しないとダメ)、電車の中に携帯電話の充電器を設置するというアイデアを考えた。

電車内の無駄な時間を充電に有効に活用できるし、電源を切らないと充電できないという形にすれば電波による悪影響も緩和されるし、電車なんだから電気は供給しやすいし、一石二鳥だと思う。

携帯を充電器にいれたまま忘れる人が続出すると思うが、そんな間抜けな人の携帯はアフリカの方の恵まれない子供に分け与えればいいと思う。

「ママー、おなかすいたよう」
「ほら、携帯電話しかないからこれでがまんしなさい。」
「もしもし。」


冷え汁ミュージックニュースの時間がやってまいりました。

ネスミス竜太カリム ソロデビュー

おめでとうございます。秋元康作詞の世代を超えて愛されるスタンダードだそうです。世の中ってやっぱりすごい人が動かしてるなあ、そう思うニュースです。

それにしてもこの公式ブログ、プリミティブな欲動の息遣いが聞こえてくる素敵なデザインです。

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朝早く起きることができない。最近は不眠の気があり、毎日5時前後に寝ているから普通に起きることができない。仕方ないので携帯電話の目覚ましアラームをやや過剰なものにしている。

今は、新橋で飲んでいたときに隣にいた、テーブルに派手に吐いている人のゲロ音を携帯で録音し、そのままアラーム音にしている。寝覚めは悪いが、ものすごく鮮明なエレエレ音は確実に私の胃のあたりを刺激するため、効率よく起きることができる。

あとは、電車内で「いらっしゃいませ、おやすみ野菜をいかがですか」というよく分からない言葉を延々同じテンポで数10分にわたり繰り返していた男性の声とか、自分で「ダム!ダム!ダム!」と言っている声などを立て続けに鳴るように設定している。

で、昨日会社のデスクに携帯電話を忘れて帰った。
会社を出るときに気付いたのだが、まあどうせ明日もすぐ会社来るし、ということでそのままにしておいた。

しかし、家に帰ったら急にものすごくゾッと。必死でゾッとする理由を探してみたら気付いた。前日出社を遅めにしたので、携帯電話の目覚ましアラームを8時半(会社の定時の時間)に鳴るようにセットしてそのままにしていたのだ。

やばい、と思って早く寝るために酒を飲んでいたら思いのほか深酒をしてしまい。加えて朝起きる唯一のツールである携帯電話は会社に。

そんなわけで寝坊した私は、8時半に出社した皆様に見事にそれらを聞かれたわけで。

9時半に出社した私。自分のデスクまでのまっすぐな道。遠近感がものすごく崩れた自分の感覚。


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