日記
◆日本の味
そろそろ、電車で隣の席に若い女性が座ったらホッとする癖をやめたい。「ああ、俺は汚いとか思われてないんだな。避けられてないんだな」ってものすごく全肯定された気持ちになる自分を戒めたい。

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パリではフランス語が話せなくてかなり難儀しました。お店に入っても何を食べられるか分からないし、どんなものかって聞こうとしても無理だし。道を聞こうにも無碍に断られるし、そのくせ浮浪者はカタコトのフランス語で(これがまたやっかいだった)新聞を売ろうと話しかけてきます。

そんな感じで疲弊した私はパリのオペラ座近くの日本人街(というのかどうかは知りませんが)に知らず知らずのうちに追いやられてしまいました。

この一帯は非常によいところでした。来来軒なんて名前の中華料理屋が「ほっとします日本の味」と紹介されていたり、ブックオフがあったり、普通に焼酎を売っているお店とかがあったりします。

調子に乗ってカールうすあじとさつま白波を購入し、久しぶりの日本気分を堪能した私は一つの和食店を見つけました。洋食にほとほと飽きていたし、がんばってフランス料理を食べる気力もなかったのでふらりと入ります。

「らっしゃい!」

鉢巻をした日本人板前の威勢のいい声が聞こえます。ああ、いいなあ。異国でも日本人は板前の心を忘れずにがんばってるのだなあ。感慨にふけりながらおまかせ定食を注文。ぷかぷかと日本から持ってきたキャスターマイルドをふかして待ちます。店内には数人の日本人店員がいて、そそと緑茶を淹れてくれます。板前はきびきびとした動作で「はいよっ!」と刺身を仕上げます。

と、フランス人のカップルが入ってきました。板前は彼らに向けて相変わらずの威勢のいい声で言いました。

「ボンジュール!」

なんとなく悪い夢を見ているような気持ちになりながら、おいしい刺身をいただきました。

2004-10-25 (Mon)
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